海外留学のリアル
みなさんこんにちは。
最近、海外留学の経験は学生が自身を企業にアピールするためのステータスのようになってしまっていると感じます。この記事を書いている筆者も、就職活動のために海外留学を決意した一人です。
筆者(大学生)の通う大学は、世界各国の大学と提携を結び、いわゆる交換留学の制度をたくさん持っています。筆者は約七か月間もの間、ベトナムのホーチミン市にある国立大学で経営学の勉強をしました。
今回は交換留学をして感じた正直なところをお伝えしたいと思います。(これらは筆者がベトナムで経験した個人的なものであり、あらゆる海外留学に該当するわけではありません!)
–良かったところ
①物価が安い
ベトナムの物価は日本の物価のおよそ3分の1程度と言われています。あらゆる商品にこれが適用されるわけではありませんが、交通費や食事、学費などは日本と比べると破格のものでした。大体の交換留学制度では、自身が在籍する大学が留学先の大学に学費を支払うので、実質学生への負担はありません。加えて、留学に必要となる費用を援助してくれる場合もあります。筆者が参加した交換留学プログラムはまさにそれで、毎月7万円(返還不要)をいただいていました。物価の安いベトナムではおよそ5万円あれば満足のゆく生活ができたので、残りの2万円は旅行に充てることができました。
②単位認定
筆者の学部は経営学部、そして留学先の大学も経営学部だったので、ベトナムで学んだ科目の大体が日本の大学での単位に変換できます。これは大学同士が協定を結んでできる交換留学の大きなメリットではないでしょうか。
–悪かったところ
①詐欺?
筆者が参加したプログラムはホーチミンにある国立大学の特別課程との交換留学でした。その特別課程では、すべての授業が英語で行われます。これはそのベトナムの大学がアピールポイントしているところです。つまり、教鞭をとる先生はベトナム人、それを聞く学生もベトナム人、それでもベトナム語ではなく英語でコミュニケーションをとる…はずでした。しかし、実際には結構ベトナム語の会話が頻発。もちろんそこには筆者以外の留学生もいます。カナダ、オランダ、フランスなど。先生の言い分は「彼ら(ベトナム人学生)の理解を手伝うためだから。」、それでは不公平ではないか!と思うのですが、そう言われてしまうと弱ります。ベトナム語での説明が続く間、他の留学生たちと苦笑いをするほかありませんでした。
また、これは日本でもよくある詐欺?のような気がしますが、そのベトナムの大学が魅力としているアクティブラーニング(いわゆるディスカッション中心の学び方)は、まったくアクティブではないと感じました。学生をグループ分けし、各回の授業内容を教科書に沿って学生にプレゼンさせる。先生が教える手間を省いているようにしか感じません。結局は、教科書を自分で読むほうのがわかりやすかったくらい…。ディスカッションの機会はいくらか(日本よりは多い)ありましたが教科書に掲載されているケーススタディを議論するだけです。あまり議論の必要性を感じませんでした。
②サポート体制
そのベトナムの大学には交換留学生のサポートをする専門の部署(と言っても二人しかいませんが)があります。しかし、あまりサポートをしてもらえた記憶がありません。メールを送れば数日以内には返信をいただけるのが我々日本人の感覚ですが、この点、ベトナム人は非常に時間がかかります。いくら待っても返信がないこともありました。
③言語の問題
英語が苦手な日本人と、英語が苦手なベトナム人がコミュニケーションをして何が生まれるか。言語による問題です。日本人英語(日本人の特有の癖がある英語)と呼ばれる熟語があるようにベトナム人英語と呼ばれるものも存在します。普段から教材でお世話になっているネイティブとの会話なら聞き取りやすいし、話し方も理解できるのですが…。お互い癖のある日本ベトナム間の英語でのコミュニケーションには苦労した記憶があります。
④温度感の差
これは温度感というよりも、各人のやる気の問題とも言えますが…。大学の授業をいつも前の方に座って聞いている意欲のある生徒、反対に教室の後ろの方でパソコンをいじっている生徒。後者の割合が留学先大学では自分の大学よりも高いと感じました。もっとも、彼らはパソコンをいじるよりもスマホでチャットをすることに夢中のようでしたが…。
–まとめ
筆者は海外留学をしないと体験できないであろう多くのことを経験することができました。海外に住むということがどういうことなのか、外国人と働くとはどういうことか、異文化コミュニケーションがどう難しいのか。グローバル化の進む現代社会でこれらの経験は役に立つ場面があるかもしれませんね…。もし、海外で活躍を目指しているのなら。
明確な目的も夢もなく海外留学に臨んでしまった筆者は、この留学で何かを成し遂げたという感覚を掴めないでいます。何を手にしたかと聞かれると、新しい友人と就活で使えるネタ、としか答えることができません。
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