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手に職をつけるということ(文系も理系も、新卒も中途も)

こんにちは、atteyaaのマツイです。

今日のタイトルは「手に職をつける」です。

私たちの会社はSE(システムエンジニア)という技術職を養成、
またはその技術を持つ仲間を集めています。
そして、その技術的な何某かをもって社会に貢献しようとしている。
そんな会社です。

なので、新卒でも中途でも
当社に興味を持ってくれる方たちの志望動機に多いのは、

「手に職をつけたい!」

これです。

まあ、多少表現の文言は違うものの
何だかんだ言って「手に職をつける」ということへの憧れ
これを口にしてくれます。

その気持ち、わかります!!!
面接とかではすごく共感しますし、
その思いはとても素直で純粋無垢なものだと思います。

でもそれ、「ちょっと待て」と言いたい!
この志望動機にはきっと続きがあります。

「手に職をつけて、、、、その技術で食べていきたい」

手に職をつけたいと言う多くの若者は
手に職、すなわち技術力を身につければ
それで食べていくことができる。
そんな幻想を抱いているのではないかと思うのです。

ここで2つ質問です。

1.「食べていく」とはどういうことでしょうか?
2.技術で食べている人って具体的に誰でしょうか?

どちらの回答も個人差があると思いますが
多くの若者が「食べていく」ということを「食べていきやすい」
そんなニュアンスで使っていると思うのです。
本当に食べていくことができるのか?
食べていきやすいのか?
しっかりと考える必要があります。

加えて、
技術で食べている人って誰でしょう?
誰か思いつきますか?

ビル・ゲイツが浮かびました?
イーロン・マスクが浮かびました?
ホリエモンが浮かびました?
大学の先輩か浮かびました?
近所のITに詳しいお兄さんが浮かびました?
好きなユーチューバーが浮かびました?
お父さんやお母さん、兄弟や親族が浮かびました?

答えはないのですが、
技術で食べていく
誤解を恐れずにいうと
これってとても難しいことなのです。

ビル・ゲイツもイーロン・マスクもホリエモンも
技術ではなく、経営手腕やその他の能力で飯を食べています。

IT業界をはじめ、
技術職になりたい、
そういう会社に就職・転職したいと思っている人たちは
そのことを肝に銘じておく必要があります。

わかりやすく、話を単純化してみます。

皆さんは、ほとんど漏れなく文章を書けるわけです。
保育園や幼稚園で文字を覚え
小学校で文章を考え、中学校ではその能力を磨き、
高校や大学ではその文章の分かりやすさに加えて
何かしらのアートに近い表現手法を求められます。

でも、どうでしょうか。
文章を書いて「食べている人」は
まわりにどれくらいいるでしょう。

何でもそうです。
数学は知識であり、技術だと私は思います。

多くの人が四則演算を知っていますが
数学で「食べている人」ははたしてどうでしょう。

文章や数学を例にするとわかりやすくなると思っています。
「手に職をつけて」とか「技術で食べる」ということは
かなりのレアケースなのだと、
これで少しは想像できるのではないでしょうか。

その昔、
文字を書ける人が少ないときは
文字を書くことが仕事になりました。
英語を話せる人が少ないときは
翻訳でも何でもそれが仕事になりました。

そういうことなのです。
皆が認知し普及したもの
これをもって「手に職をつける」というのは至難の業です。

少し個人的な話をします。
実は、私のキャリアにおいても同様でした。
私はカメラマンという仕事でキャリアをスタートさせました。
その当時は高性能なカメラを操り、
一般の人よりもきれいな写真が撮影できる。
ということが技術で(売りで)、
まさしく私はそれを目指していたわけです。
3年ほど頑張りました。時は2000年代はじめの頃です。

振り返ってどうかと言いますと、
その後、デジタルカメラが凄まじい勢いで世界を席巻し、
さらにはスマートフォンなるものも登場し
「誰でも」「気軽に」「そこそこいい写真」が撮れるようになりました。

もし、私が業界に残っていたらどうなっていたのでしょうか?
「手に職をつけて、技術で食べること」
これが実現できていたのかというとまったくもって自信がありません。

技術の習得に終わりはなく、
その発展スピードはそれを上回るかもしれないということ。

これを心に刻んでおかなければ
技術で食べることは叶いっこない。

技術職を志す方はこれを心得ておいてほしいのです。

総括すると以下です。

「手に職をつけて、技術で食べる」
この志は大事だが、本当の意味でこれを目指すのであれば
相当に難しいということ。
それが出来ている人は一握りだということ。

それを知った上で、
技術職になって「手に職をつける」とはどういうことか?
考えてほしいと思います。

逆に言うと、
技術職の会社でも技術で食べている人は一部で、
大多数が技術力に加えた「何か」で価値を生み出し、
それに対して対価を得ているということです。

本当に「手に職をつけたい」と願っているのなら
相当な努力がないとダメだということです。

というような話を踏まえてアドバイスです。

新卒でも中途でもIT業界を志す方は、

  • 手に職をつけたいと本当に願うなら、休みなしで働く(自宅での勉強含む)こと

その覚悟がない方は、

  • 技術+「何か」、この「何か」が何かということを(禅問答みたいですね)考え続けること

もしくはもっと単純に、

  • 技術職を諦める

のどれかが必要です。

技術職というのは奥が深く、一朝一夕で叶うものではありません。
この業界への興味関心を削ぐわけではありませんが
それくらいの心構えが必要かと思われます。

技術で飯を食う。
これは小さい頃に思い描いた

  • プロ野球選手になりたい
  • サッカー選手になりたい
  • お医者さんになりたい
  • YouTuberになりたい

これと同じくらい難しいものなのです。

その上で技術職に就くことに自分なりの意義
これを考えたうえで就職(転職)すること
そうすれば、「手に職を付けたい」という思いが、ちゃんと身を結ぶのではないでしょうか。

読んでくれてありがとうございます。

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