悩める若者にマルチポテンシャライトを
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こんにちは、atteyaaのマツイです。
先日来、佐賀大学の学部生と大学院向けに
キャリアデザインの講義をさせていただいております。
そこであらためて感じるのは
「悩める若者たち」が今ここに確実にいるのだということです。
キャリアデザインの副作用
自信のなさ、迷い、焦燥、無関心、浅慮、
醸し出す雰囲気はそれぞれ違えども水源は同じように見えます。
多様性や持続可能性を謳う昨今ですが
その裏では、よい人生とは?よく生きるとはなにか?
そんなことを考える必要性が出てきたわけです。
その趨勢を察しキャリアデザインが学校教育に取り込まれて久しいわけですが
今はその効果・効能よりも副作用がガンガン出ているような気がするのです。
うん、キャリアデザインの副作用。
これ、自分で書いてみて言い得て妙、あると思います。
「うまくキャリアをデザインしなければいけない」という呪縛
副作用の正体はこれです。
スペシャリストでなくてもよい
そんな症状に陥っている「悩める若者たち」
彼らは自信のなさ、迷い、焦燥、無関心、浅慮、などなど
まるでテントのように多様な膜を張って、仮の私をデザインしようとしています。
そんな彼らに、
どんなメッセージが届きやすいか?
どんな言葉ならテントの入口ジッパーを開いてくれるか?
そんなことを日々考えるわけです。
マルチポテンシャライト
この考え(言葉)をご存知でしょうか?
- multi(マルチ)=多くの
- potential(ポテンシャル)=能力(潜在能力、興味関心)
- ite(アイト)=人
3つの言葉を繋げた造語です。
たくさんのことに興味を持ちあれこれとトライする。
そんな人のことを言います。
ともすると、
飽き性や移り気と思われたり、
器用貧乏と言われたりするわけですが
マルチポテンシャライトを紹介するTEDのYouTube動画を流し
「移り気で色んなことにチャレンジすることは悪いことではない」
というメッセージを伝えると、
比較的多くの学生が顔を上げてくれます。(筆者調べ)
デザインとスペシャリスト
私の子供の頃の夢は
・サッカー選手
・剣道日本一
・小説家
もっとたくさん無邪気に発露していたかもしれませんが
覚えているのはこれくらいです。
結局、
サッカーは一番苦手な球技でしたし(なぜ?)
そこそこ強かったけど剣道は中学でやめたし
コピーライターまでは経験したけれど小説なんて・・・
とまあ、私なんてこんなものです。
これ、自分を卑下したいわけではなく
みんなこんなもんじゃないですか?と言いたいのです。
デザインという言葉は
緻密に設計するというイメージや
計画的に構築するというイメージを持たせますよね。
本来はそういう意味ではないのですけど
これは英語をそのまま活用していることの咎です。
このイメージが更に
「何かにならなければならない」
という呪いを産んでいると思われます。
いわゆる、スペシャリスト志向(願望)です。
◯◯のスペシャリストにならなければいけない、なりたい。
ほとんどの若者がこのように考えています。
そして同時に◯◯が埋まらなくて悩むのです。
探索、探求
キャリアデザインよりも
人生探索とか生きがい探求の方が意味的にはしっくりくる。
私の人生とは?を探し求め、
出会った物事を観察し、
私なりに私を磨いていくこと
人生探索と捉えれば、
キャリアデザインの本来的意味・意義が見えやすいように思います。
加えて、自分はこれまでに様々なことを探索(探求)してきたではないか?
ということに気づきやすい。
多くの人がたくさんのことに興味を持ち
分かりやすいステレオタイプな夢に傾倒し
一度はそれぞれの領域で探求を始めるわけです。
その結果、
プロサッカー選手になれなくても
剣道日本一になれなくても、
小説家になれなくても、
それで大いに構わないじゃないかと
探求、探索こそが人生だよねと
声を大にして言いたかったそんなこと。
そこにある種の後ろ盾とブランドを提供してくれたのが
マルチポテンシャライトなのです。
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人生は100年の夏休み
「人生は100年の夏休み」
そんなことを言う方がいます。
ひすいこうたろうさんというコピーライターです。
素敵な概念だと思います。
皆さんは
どんな夏休みを過ごしたいですか?
どんな夏休みが充実した夏休みでしたか?
計画的に宿題を進めないといけないし
海やプールにも行きたいし
映画や小説、文化的なことにもたくさん触れたい。
これは様々だと思うんですけど
一つ言えるのは計画も大事だけれど
振り返ってみて
宿題は大変だったけど、いろいろと充実していた!
で、何だか自由研究もうまくいったぞ−!
みたいな夏休みが最高なんじゃないでしょうか。
このあたりにキャリアデザイン、
人生の探索のヒントがあるように思います。
悩める皆さんにマルチポテンシャライトを
読んでくれてありがとうございます。