学生のうちに体験すべき環世界の越境
こんにちは。atteyaaのウッチーです。
学生さんによくされる「学生のうちにやっておくべき経験はなんですか?」という質問。
質問を受けるたびに、その時々の思いや自身が持つ問いをベースに回答してきましたが、最近はその質問への答えは「環世界の越境」と「予定調和への抵抗」だと思うのです。
と、仰々しい言葉を2つ並べましたが、意味はどちらもほぼ同義です。
環世界とは何か?
まず、「環世界」という言葉を始めて聞いた人も少なからずいるでしょう。環世界とは、ドイツの生物学者ユクスキュルが提唱した概念です。生物学の用語ですが、キャリアや人生にも応用できる面白い考え方です。
簡単に言うと、「環世界」とは、自分が感じる世界の枠組みのこと。同じ空間にいても、人それぞれが見ているものや感じていることは異なります。たとえば、犬が鼻で匂いを感じる世界や、鳥が空の高い場所から眺める世界は、私たち人間の見えている世界と全く違うものです。というのが生物学的観点から見た環世界です。
これを人間世界に焦点を当てて、哲学的視点で解釈すると「人間は一人ひとりそれぞれが自分にとって重要な部分だけを切り取って世界を見ている」ということになります。
つまりは、自分自身の価値観や経験に従って世界を見ているということです。
環世界の越境
ここまでの話から、環世界の越境とは「違う価値観のグループに所属する」と捉えることができます。
そしてこの「違う価値観のグループに所属する」ことが成長にとって大切であり、違う環世界に越境し刺激受けたり、違う環世界に馴染むということを学生のうちにすべき経験だということが私が今回伝えたいことになります。
学生生活を送っていると地元や高校時代の友だち、サークル仲間など、人間関係が固定化されがちです。つまり、環世界が固定され、同じ価値観を持つ仲間と過ごす時間が長くなります。
もちろん、同じ環世界の中にも多様な価値観を持つ仲間がいることは否定できません。
一方で、同じ組織というのは同じ価値観を持つ仲間が集まりやすく、同じ価値観を持つものが残りやすい。ということも否定できない事実なのです。
同じ価値観を持つ人達に囲まれて日々を送るということは非常に有意義ですが、視野を広げ新しい学びを獲ていくためには、環世界を越境し、違う価値観に身を置き、刺激を受けるということがとても大切なのです。
また、そういった経験を学生時代に持っている若者のほうが、大学を卒業したあと社会に適応しやすい。というような研究結果も存在します
それほどに、学生時代に環世界を越境する経験を持つということは大切なことなのです。
環世界を越境した学生の話
ここで私が目にした環世界を越境した学生(A君)の話をしてみましょう。
A君は私が担当するインターンに参加していました。
そのインターンにはA君の他に大学生が4名。加えて高校生や中学生、小学生が合わせて4名参加していました。
学生にとってはインターンシップに参加するということも環世界の越境に当たるかもしれません。
普段の学生生活を離れ、社会を疑似体験する。それがインターンシップの趣旨だからです(選考や採用要素を含まないインターンシップこそ、本当の意味で若者にとって意味があるインターンシップだと私は信じています)。
そしてA君はインターンシップをともにする小学生が無遠慮に(いい意味で)自分の環世界に飛び込んでくる経験をしたのです。
その経験からA君は多様な価値観に触れることの大切さ。そして、その一歩を自ら踏み出すことの大切さを学んだのです。
それ以来、自らの環世界から一歩踏み出すことを大切に考動している。と、A君は先日私に語って語ってくれました。
インターンシップが終わってからA君に再会するまでの約5ヶ月間の期間がありましたが、久しぶりに見たA君は以前よりもたくましく感じました。
話を聞いてみると、あのあともインターンシップに参加するなど、自ら一歩踏み出して行動することを大切にしていることが伝わってきました。
予定調和に抵抗することの大切さ
A君のエピソードを聞くと、環世界を越境するにはなにか特別なできことが必要な印象を受けた人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
まずは小さな一歩でもいいので、自ら踏み出すことが大切なのです。
その意味では日常の予定調和を少しでもいいので自ら乱してみることです。
日常を無意識に過ごしていると、人間関係や考動も固定化されがちです。
そうすると、生活の中で起こることが予定調和に溢れていきます。
そこに意識的に抵抗していくのです。
と書くとまたもや大層な感じがしますが、通学路や教室で座る席をいつもとは変えてみる。というのも立派な予定調和への抵抗です。
教室でいつも後ろの方に座っているのであれば、先生の目の前の席に座ってみる(大半の学生にとってはこれはこれで大層な行動かもしれませんがw)。
これだけで、いつもの授業がこれまでの違って感じるはずです。
また、周囲から見たあなたも普段とは違って見えるはずです。
通学路を変える。そうすると今までとは違った発見があるはずです。
そうやって、日常の予定調和に抵抗し、少しでいいので自分自身を乱してみる。そういったことから環世界の越境を踏み出してみてください。
そして、もっと環世界を越境したくなったらatteyaaを覗いてみてください。
素敵な越境体験が皆さんを待っています。
以上、お付き合いいただきありがとうございました。