自律して自走する

みなさんこんにちは。
はるです。
自分の会社はソフトウェア開発をメインで行なっています。
その中でアジャイル思想を取り入れたプロジェクトを担当することが多いのですが、アジャイル思想の中に
「自律分散型」
というキーワードがでてきます。
自律分散型とは、トップダウンの指示系統がなく、メンバーがそれぞれ意思決定権を持ち、役割に責任をもって自律的に行動していくことを言います。
チームが自律分散型組織になることで、チームに柔軟性を待たせ変化への適応を素早く行うことができると謳っています。
また、現在自分は若手向けの研修を作成しているのですがそのテーマは
「自律と自走」
です。
若手社員が今後会社で働いていく中で、「自律して自走する」意識を形成することが非常に大切だと考えているためこのテーマを設定しています。
ではなぜ、「自律して自走する」ことが大切なのでしょうか。
それは、自律して自走しなければ自身が会社や社会に対して提供する価値が制限されてしまうからです。
「自律して自走する」ことの逆は意思決定権を持たず、指示通りに行動することとニアリーイコールだと捉えています。
それでももちろん仕事は成り立ちます。今までの歴史に裏付けられたやり方や自分より経験のある上司の指示に基づいて進めることで、大きな失敗のリスクは低減します。
ただ、それらの枠内の成果しか生み出されないということです。
過去のやり方や上司の考えに加えて、自身の意思や行動を塗り重ねていくことで会社も自分自身も成長します。
また、何か動こうとする度に上長への承認フローを繰り返すこととなり、スピードが失われる側面もあります。
とはいえ、若手社員に向けていきなり自律して自走しなさい、と言っているわけではありません。
自律して自走するを意識を持ち、少しづつグラデーション的に自律して自走できる範囲が広がっていけば良いと考えています。
「守破離」という言葉をご存知でしょうか?
日本の茶道や武道などの芸道・芸術における師弟関係のあり方の一つであり、それらの修業における過程を「守」「破」「離」の3段階で表したものです。
守は「基本や型を身につける段階」、破は「既存の型を破り発展させる段階」、離は「基本や応用から離れ、独創的かつ個性を発揮する段階」を指すと言われています。
「守」の段階を経て、「破」の領域に一歩踏み出せるかどうか、この境界で大事になってくる意識・行動だと思います。
ただ、若手社員が新しく会社に入り教育を受けながら成長していく過程で自律と自走の意識が薄れる、そんなことが頻繁に起こっていると思います。
そうならないように「自律と自走」というイカリを心の中に下ろし、場面場面で実行していくクセ付けが重要だと思います。
要は、自身で選択(判断)して実行する機会を多く持つ、会社や上司から見ると多く持たせるということです。
以下に「自律して自走する」意識が薄れないようにする方法を紹介してみたいと思います。
上司による過度な確認と承認をやめる
「これでよろしいでしょうか。」「大丈夫です。それで進めてください。」
若手の仕事手順としてよくある光景だと思います。
この手順を悪いと言っているわけではありませんし、大切な工程だと思います。
ただ、確認が必要かどうかの判断を意識せず常にこの手順を踏むようになると、責任者に「大丈夫」と言われなければ仕事が進められなくなってしまいます。
若手自身は確認が必要なレベルなのかどうか、責任者はレベルを鑑みて担当者の判断で進めてもらって良いかどうかを意識することが大切です。
顧客との関係を対等にする
1つめの例とも近いですが、お客さんとの立場が対等でない場合にも「自律して自走」する機会は奪われます。
顧客の言うことが正解となり、その通りに仕事を進めていく状態になるからです。
お客さんに仕事を依頼されているということは、依頼された側はプロとして信頼されているということです。お客さんが持っていない専門知識を活用し自社の判断を提案していく意識、そんなチームづくりが大切だと思います。
「創造性のある仕事」をする
ここでいう創造性は、仕事をする上で「自由に考え、方法を選択できる余地がある」というイメージです。
創造性のない仕事とは、ルールが詳細に定まっていて、毎回同じことを実施するルーティンワークなどです。
基本的な手順・手法を守って業務をこなしていれば同じ結果が得られるため、失敗することはほぼないですが、一度覚えてしまえばそれ以上の発展は少なくなります。
「自由に考え、方法を選択できる余地」のある仕事を提供し、手法や進め方について担当者が工夫を凝らしながら日々取り組んでいくことで自律して自走する機会を生み出すことができます。
以上、自律して自走していくことの重要性とその機会を増やしていく方法を紹介してみました。
少しでも参考になれば幸いです。
ご一読ありがとうございます。
それでは。