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組織は精鋭のみであるべきか?




みなさん、こんにちは。
はるです。
 
タイトルの件はとある学生に問われた一言です。
言葉のまま捉えると、それは当たり前のように、精鋭のみの方が良い気がしてきます。
 
しかし、多くの会社は社会貢献の規模が多くなるにつれて会社の規模も大きくなっていきます。
ただし、2:6:2の法則と言われるように、会社毎にアベレージの差はあれど、全員が全員優秀なわけでもないと思います。
 
答えの出るようなものでもないですが、この「精鋭のみであるべきか?」という問いは色々な切り口がありそうなので、ちょっと考えてみたいと思います。


 
まず、最初に少し訂正なのですが、「精鋭のみ」という言葉本来の意味とはちょっと離れているところがあるので、背景を説明します。
 
僕たちの会社はプロジェクトの一環でとある大学の授業を一部受け持っています。

その授業の中で、簡単にいうと「担当した企業の課題を発見して、その解決策を考える」という内容があります。
 
我々もその企業の中に入っており、前提として感じている課題は

「時代の変化に対応し、現在会社として第二創業(組織変革)を行っており、企業理念や人事制度など組織や文化を大きく変えているが、その意味意義の社内浸透が難しい」

というようなことを学生たちに説明しました。
 

そのときにとある学生が言ったのが、
「意味意義の浸透が難しいのであれば、それを理解できる人だけで組織を構成し、他の人は諦めたらいいのではないか」
という内容で、それがタイトルにある問いの本当の意味です。
 
なかなか過激な内容で、その場にいた社員の方たちは固まっていましたがw
すぐに「それは違う」とも言えないなんともシンプルかつ難しい問いですね。

学生の方たちは、変な先入観を持つことなくズバズバ切り込んでくれるので考えるきっかけが多数、本当に学びになります。
 

自分もこの場にいて、話を聞きながら考えていたのですが、
この話を考える上で大切なのではないかと思うのが、「精鋭とは何か」だと思いました。

新しい理念や組織文化に共感できる人たちだけが精鋭かと言われるとそうとも言えない気がします。
 

上記の人たちが精鋭だとした場合、「新しい理念や組織文化に共感できる」ことが正解、となります。確かに最近「理念や組織文化に共感できる」ということは重要視されてきましたし、個人的にももちろん非常に大切なことだと思っているのですが、この背景には、以前は「理念や組織文化」を大切にする人が非常に少なかった、ということがあると思います。
 
ただし、この以前の価値観で生きてきた人たちは理念やビジョンはそんなに重要視しないけれども、他に時代背景に合っていた大事な価値観を持っていたために社会に対して大きな貢献ができていたのだと思います。
 
昔からある対立的な考え方として、

「企業理念やビジョンはとても重要で全社に浸透しなければならない」

という考えと、

「いやいや、理念やビジョンを語っても仕方がない。現場での成果・売上が大切だ」

というようなものがありますよね。
 
今回の僕たちの会社の課題において、浸透が難しいのは後者の人たちでしょう。
しかし、後者の人たち浸透しないままで良いのでしょうか、もっというとはいなくなってしまっていいのでしょうか・・。
 

しかしながら、この二つはどちらが正しいのか、と問われると答えが出ない内容だと思います。どちらも納得できる意見だと思います。
 
そう考えると、前者の人たちだけが「精鋭」だとは言えないと思います。
実際、前者の人たちだけになってしまった場合、考えが近しい人たちのみになることで多様性が失われ、脆い組織になってしまう可能性が高いです。
 
ビジネスの世界でも「内部の人の話は聞くな」とよく言われると思います。
自分と近しい関係の人に「こんなの考えたんだけどどう思う?」と聞いても、「良いと思う」としか返ってこないからです。その先には大きな落とし穴が待ち受けています。
 
社内というだけで内部なのに、さらにその内部の人だけの組織で今後継続してやっていけるとは思えません。
 

ということは、前者と後者は共存する必要があると思います。
 
お互いがお互いを理解し、理念やビジョンの浸透も現場での成果や売上も両方実践していく。しかし、一人一人が50:50の意見になるわけではなく、自分自身の考えはあるがそれぞれの貢献方法で示していき、全体では良いバランスになっている。
 
みたいな状態を目指していくのはアリなのではないかなと思います。
 

では、どうやってその状態を目指していくのでしょうか?
そんなことはわかりません。笑
 
それこそ、今後継続的に考えていかなければならい課題だと思います。
自身にない価値観を受け入れるためには、その人自身の変容が必要でしょう。
 
どうすれば変容できるのかということを模索するために、自分達の会社の歴史や、前者の人・後者の人のことをなどを再度理解し、その上でやっていかなければならない施策を企画実施して、地道にできることから取り組んでいくことになると思います。
 
人は簡単に変われるものではないと思いますが、一つ一つ、まずは自分が問い続けていくしかないかと思います。
 
 
 
・・ということで、
タイトルの「組織は精鋭のみであるべきか?」という問いに対して僕の考えは

「精鋭という言葉にバイアスがかかっているため、NO。組織の色々な考えを許容し、それぞれのやり方で貢献していくべきだ」

でした。(本文では触れていませんが、本当の意味で理念や組織文化が合わない人は明らかなミスマッチなので自然と離脱していくと思っています。)
 


みなさんはどうでしょうか。
時間のあるときにでも少し考えてみてください。
 
 
ということで、ご一読ありがとうございました。
それでは。

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