新人研修は本当に必要なのか?OJTだけだとどうなる?
みなさん、こんにちは。
はるです。
今日は新人研修について書いてみます。
タイトルの書き方、少し過激かもしれません。笑
ただ、実は新入社員みんなでまとまった研修を受けるという文化は(この記事では新人研修を新人みんなでまとまって受ける研修と定義します。)、新卒一括採用をしている日本独特の文化なのだと思います。
海外ではいきなりOJTという会社が多いのではないでしょうか。
大学で専門的な知識獲得→その業界でインターン→入社後OJTという流れをよく聞きます。
とはいえ、日本では新人研修というのは一般的ですし、会社として非常に大切な議題の1つとなっています。
担当者の方にとっては、どんな研修が自分の会社にあっているのか、新人をレベルアップさせることができるのか、頭を悩ませる難題だと思います。
就活をしている学生にとっては、研修の手厚さはその会社を判断する重要な要因だと思います。
例えば、僕たちの会社では4月〜5月の約2ヶ月間にわたって新人研修を行い、その後OJTに移行する流れになっています。そして現在は来年度の新人研修をどうしようかと考えているところです。
新人には毎回、新人研修が終わった後にアンケートに答えてもらっています。
そこで必ず出てくる意見として、「もっとスキルを身につけたい」というものがあります。
そして、研修を担当する先輩社員たちはそれを見て、ほぼほぼ全員が「スキルを身につけたいならOJTが一番だよね」という意見で一致します。
では、新人研修は実施せず、OJTだけではだめなのかという点について考えてみたいと思います。
まず、一般的に新人研修はどのような目的で行われるものでしょうか。
簡単にまとめてみたいと思います。
1、学生から社会人へのマインドチェンジ
まず1つめですが、学生から社会人へのマインドチェンジです。
僕は学生に対して仕事のやりがいについて話す機会があれば、
「基本的に、学生まで(の勉強)は自分のための価値だが、社会人(の仕事)は周りのための価値に変わる」
という話をよくします。
サービスを受ける側から提供する側への変化、責任のない立場から責任を持つ立場への変化など、今までと180度違うような、そんな大きな変化へ対応するために、意識の改革をする必要があります。
2、社会人としての一般的なマナー、ビジネススキル
2つめに社会人としての一般的なマナー、ビジネススキルです。
身だしなみのことや、時間を守ること、電話やメールの対応方法、名刺交換のやり方、ビジネス文章のことなどです。最低限知っておく必要がある、社会人としての共通言語を学び使えるようにすることも新人研修の1つの目的です。
3、仕事に必要な専門的なスキル
3つめに仕事に必要な専門的なスキルの習得です。冒頭にも書いたように、新人が最も意識し、新人研修で学びたいと思っている内容です。仕事に必要なスキルや知識の基礎を学び、その後の業務へスムーズに移行することを目指します。
4、会社の理念や風習の理解
最後に会社の理念や風習の理解です。企業の目指すべき方向や企業独自のふるまい、考え方を学ぶことで、その会社と共に仕事をしていく1人として、共通のビジョン・目指すべき方向を向いて仕事をしていくことを目指します。
以上、新人研修の目的は1〜4で概ね網羅できているのではないかと思います。
そして、新人はこれらの中で3の「仕事に必要な専門的なスキル」をもっと学びたいと言うわけですね。
そう聞くと、先輩社員としてはOJTが最も効率的なのではないかと思うわけです。
では、新人研修は必要なくてOJTのみで良いのではないか、というのが冒頭にあった問いというわけです。
実際、担当する先輩社員の能力に依存するという問題はあるものの、OJTでも1〜4の目的を達成することはできると思います。先輩社員の教育方法を確立すれば担当者依存も減らせますね。
ただし、自分は新人研修は1〜4の目的に加えて非常に大切な価値を持っているのではないかと思います。
それは一言でいうと、
「新人の自信・モチベーションを喪失させない」
というものです。
上記で新人は3の「仕事に必要な専門的なスキル」をもっと学びたいと思う人が多いと書きました。実際に就活で企業選びをする時や、働いている自分を想像する時にもっともわかりやすいものですし、そう言うのも納得です。しかし実際は、部署によってその仕事ができるかわかりませんし、今のこの時代、身につけたスキルが使えなくなるかもしれないことも新人は知っています。
実際すでに何年も働いている先輩たちは、スキルは結局磨き続けない、新しいものを身に付け続けないといけないものだと実感していると思います。
では、新人が「仕事に必要な専門的なスキル」をもっと学びたいという本音は何なのかというと
「仕事で成功したい(仕事ができる人でありたい)、または仕事で失敗したくない」という思いからくる、不安や恐怖を少しでも減らしたい
ということではないかと考えています。わからないことが多ければ多いほど、不安や恐怖は増幅されてしまうため、少しでも仕事のスキルを身につけたいということです。
新人は入社する前は大学四年生です。周りと比べて最も先輩で、就活もやりきり、内定を獲得していて、知識・経験ともにトップの立場だったのが、入社後は一気に逆転してしまいます。
OJTは先輩がついているとはいえ、言うなればいきなり仕事本番です。お客さんの見る目は厳しいです。既に専門的なスキルをそれなりに有している、ものすごくメンタルが強い、などの人でなければ最初に積み重ねる失敗の連続で自信やモチベーションを失ってしまうかもしれません。
自信やモチベーションを失うと、成長が鈍化したり、最悪の場合退職してしまったりするリスクがあります。将来のキャリアへ悪影響を与えかねません。
そのようなことがないように、良い緩衝材となり、仕事本番に向けて段階的にモチベートしていくのが新人研修の役割ではないかと思います。
ということで、結論としてはOJTだけではなく、新人研修→OJTの流れが良いのではないかと考えています。
最近は新人も即戦力へ、という流れもありますが、新人研修→実務に近い仕事(しかし研修)、という構成は大きく変わらない気がします。
普通は社会人経験(学生起業家のメンバーや長期インターンとか?)や、仕事で通用する専門的スキルがないとなかなか難しいと思います。(実際中途採用の人は業界未経験でもOJTスタートで大丈夫ですよね。社会人のマインドや基礎的なスキルが形成されているので)
多少の失敗をものともせず、どんどん突き進んでいけるような新人であればOJTスタートでも大丈夫なんでしょうか。そういった方は素直にすごいなあと思います。
ということで、新人研修は本当に必要なのか?OJTだけだとどうなのか?ということについて書いてみました。
ご一読ありがとうございます。
それでは。