自らの仕事にやりがいを与えるには
みなさんこんにちは。いまむーです。
こんな相談を受けることがあります。
「今やっている仕事は、自分のやりたかった仕事じゃない」
やらされ感のある業務や退屈な業務は辛いですよね。
やりがいのある仕事が出来るに越したことはないです。
今回は「仕事のやりがい」について書いていきます。
何のために仕事をするか
「3人の石工」という話を簡単に紹介します。
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旅人は、ある村を訪れました。
村では、3人の石工が何やら大きな建物を建築しているようです。
旅人は3人にこう尋ねました。
「あなたは、何をしているのですか?」
1人目の石工は「これで暮らしを立てている」と答えました。
2人目の石工は、槌で打つ手を休めず「国中でいちばんの石工になるために技術をつけている」と答えました。
3人目の石工は、目を輝かせ「多くの人が祝福を受け、悲しみを払う、そんな教会を建てている」と答えました。
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これはドラッカーが引用したことでも有名な話ですが、
「仕事」にどのような意味づけをするかを表すエピソードとして、多く引用されている話なので目にしたことがある方もいると思います。
1人目の石工は報酬のために働いている
2人目の石工はスキルを上げて一流の石工になるために働いている
3人目の石工は多くの人が祝福を受け、悲しみを払う教会を作るという目的のために働いている
「稼ぐための手段」と考えるか、
「専門的なプロフェッショナル業務」と考えるか、
「自分の仕事が社会の未来や人生につながっている」と考えるか。
ドラッカーは、
ビジョンやミッションを理解し、体現している3人目の石工こそが、マネジメントを理解している人間と紹介しています。
2人目の石工もプレイヤーとして素晴らしい目的をもって仕事に向き合っていますが、スキルのみ追求するような狭い視野にとらわれるのは、マネジメントの観点では不十分とされています。
いやいや、マネジメントなんて気が早い。
お金だって稼がなきゃ生活できないし、スキルを身につけなきゃ仕事も出来ない。
そう思う方もいるかもしれません。
もちろんその通りです。
しかし、働く目的を理解し、そのために働きたいと思えるからこそ
仲間にも働く目的を共感してもらいやすくなりますし、
目的の実現のためにスキルを身に着けるエネルギーが湧きます。
そうすればおのずとお金だって稼げるようになるのです。
仕事にやりがいを見つける
会社から指示された業務をこなすのが社員としての仕事
こんな認識がある方は少くないと思います。
多くの場合、このシステムでなんら間違いはないです。
しかし、会社から指示された業務が、果たして自分にとってやりがいのある仕事かどうか。これは難しいと思います。
従業員に仕事を 仕事を割り振る 方法の一つにジョブ・デザインという考え方があります。これは、経営層や組織の人事部門、管理職が社員にとって「働きがいのある仕事」を設計するというアプローチです。
ジョブ・デザインでは、いわゆる統制型の組織が形成されやすく、会社が与えたミッションを遂行できる社員が育ちやすいと思います。
日本は統制型の組織が非常に多く、ジョブ・デザインはそのような環境にマッチしたオーソドックスな考え方でした。
しかし、ジョブ・デザインには欠陥がありました。
それは社員の個性や強み、価値観といった多様性は考慮されていなかったという点です。そんな理由もあり、統制型の組織から自立型の組織に変容することを求められている時代がどんどん加速しています。
そこで注目されているのは
自らが、仕事に新たな意味を見出したり、仕事内容の範囲を変えたりすることです。あくまで個人視点で、自分自身の仕事を意味づけし、仕事をより意義のあるものに変えていくのアプローチです。
これをジョブ・クラフティングといいます。
ここでは、「仕事に対するとらえ方を変える」というのが1つのポイントになってきます。
では、それはどういうことか。
出来事のとらえ方によって結果が変わるという理論があります。
これは「Activating events=出来事」「Belief=とらえ方」「Consequences=結果」の頭文字を取ってABC理論といいます。
例を挙げると、
A:上司に叱られた
B:私のことが嫌いだから叱っているんだ
C:反省せずに、上司と仲たがいしてしまう
A:上司に叱られた
B:私の成長を思って叱ってくれているんだ
C:反省し、同じミスを繰り返すことはなくなった。
出来事が結果を引き起こすのではなく
出来事に対する捉え方が結果に結びついているという事が分かると思います。
社員それぞれが、「仕事」に対する捉え方を変えていくことで
社員一人一人のオーナーシップが育ち、仕事にやりがいが生まれていきます。
これが、自律型の組織ですね。
仕事に対するとらえ方を変えるのは簡単ではありません。
個人の資質や強み、価値観と向き合い可視化したり
会社が求める業務をどれだけやれるかという基準から
個人がやりたいことはどれだけ会社の貢献につながるかという基準に変えていかなければなりません。
必ずしも会社が期待する働きと、個人が望む働きが一致しないことも往々にしてあると思います。だからこそ、企業理念やパーパスのような共通の指標があるのだと思います。
それでも折り合いがつかない場合は
個人が望む働きに対して、会社側が許容できるように変容していくか
許容してくれる環境に移動するか
そんな動きが求められると思います。
以上です。ご一読ありがとうございました。