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深化と探索、組織とキャリア、そしてあなた

深化と探索。会社にはこの2つが大切だと言われています。一方でこの2つは会社の中では分断を生みやすいものとも言われています。この2つを上手く内包している組織でこそ、私たちのキャリアも広がっていくのかもしれません。

こんにちは。atteyaaのウッチーです。
いきなりですが、最近私は次のような本を読みました。

デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー(市谷 聡啓 著)

タイトルのとおり、デジタルトランスフォーメーション(DX)について書かれた本です。
デジタルトランスフォーメーション=組織変革を推し進めるための段階(ジャーニー)について抱えれている本です。

この本に登場する「深化」と「探索」という考えて方が面白く、就職活動やキャリアにも転用できる考え方でした。
なので今回は、深化と探索という言葉を使って、キャリアについて考えて生きたいと思います。

 

深化と探索

冒頭の本の言葉を借りるなら深化とは「これまでを深堀りすること」です。
これを会社に当てはめると既存事業を深め守っていくことにあたります。

一方、探索とは「これからを考えること」です。
これは新規事業を開拓していくことにあたります。

では企業にとって深化と探索、どちらが大切なのでしょうか?
それは両方です。

現状利益を上げている既存事業をしっかりと深めていく。それが、会社を存続させることに繋がっていくことは言うまでもないでしょう。
そして、既存事業の利益を守っていく、伸ばしていくことは新規事業。すなわち探索するための原資にもなります。
これからを考える上でも既存事業の深化はとても大切なのです。

利益が上がっているなら既存事業の深化だけを追求すれば十分そうにも見えます。
しかし、その考えは現代社会においては危険な考え方です。現代は変化の激しい時代と言われており、既存事業はいつ存続の危機に立たされてもおかしくはないのです。

深化だけではいずれ可能性は枯渇する

 

探索の重要性

変化の激しい社会でしなやかに生き抜くためにも、私たちは新しいビジネスモデルを探索し、組織を変化させていく。イノベーションを起こしていく必要があるのです。
自分たちの得意分野を深化させながら、新しい世界にも踏み出し新しい可能性を探索していく。それを同時にやっていくことが会社、特に中小企業には求められているのです。

探索をしている企業であれば、同じ企業にいながらも、変化に富んだ経験ができる可能性が広がります。
そういった社内の変化にも敏感に、そして機敏に反応していくことが、個人のキャリアを考える上でも大切になってきます。

そういった観点からも就職活動をする上では、深化だけでななく、探索ができているか。そんなところも企業を見る上では意識してみると良いでしょう。

 

深化と探索の分断を乗り越える組織

深化と探索。その両方に取り組んでいる企業に目を向けましょう。
と先ほど言いましたが、実はこの2つを同じ組織内に同居させることは実は難しいんですね。

なぜなら、深化と探索はその成果を同じ尺度では測れないからです。
そして、探索は深化のようにすぐに成果が見えるものではありません。
なので、深化を生業としている人達からすると、「アイツら全然成果も出てないし、売上も立ってないやん。なんで俺らと同じ給料やねん」となってしまうわけです。

これが積み重なり、組織には分断が生じてしまうのです。
そして、「売上」という尺度しか持ち合わせていない組織では「深化」側の声が大きい。その声によってやがて探索は端に追いやられ、最悪その存在はなくなってしまうのです。

分断が生じるからこそ、企業内に探索の文化を育むことは難しく、それがイノベーションが起こらない文化へと繋がってしまうのです。

したがって、企業を見る上では「深化と探索のどちらにも力を入れているか」だけではなく、それらがうまく組織の中で融合しているか。
融合させるために、どのような人事制度や施策を打っているのか。
このようなポイントにも目を向けてみることをオススメします。

分断を乗り越えるためには羅針盤となる企業理念も大切。そして企業理念は探索の羅針盤にもなる。

 

個人のキャリアでも探索が大切

ここまで企業の視点で探索の重要性について書いてきましたが、この探索はもちろん個人のキャリアにとっても大切なものです。

自身のキャリア・貢献の可能性を広げていくためにも、個人としても深化に軸足を置きながら新しい世界を探索していくことが大切です。
そうやって常に自身の世界を拡大していくこと。世界を見渡していくことで、社会と自分の現状を知り、取り組むべきことに気付いていく。それが自身の変容・成長に繋がっていくのだと思います。

ここで注意してほしいのが、深化もおろそかにしてはいけない。ということです。
自分のキャリア・貢献の軸となるスキルをしっかりと身につける。そこをおろそかにしてしまっては、探索できる範囲や探索による発見も限られたものになってしまうからです。

深化と探索はどちらか一方だけが大切なのでなく、どちらも大切なのです。
したがって深化ばかりに注力している人は探索を。探索にばかり注力している人は深化を意識してみて下さい。
そうすると段々と自分の世界が広がって行くと思います。

そしてこれは何も社会人に限った話ではありません。
学生の皆さんはもちろん、もっと若い皆さんも深化と探索を意識してみて下さい。
親は子の、マネージャーはメンバーの、先生は生徒の。あなたは目の前の相手、そして自分の深化と探索を意識してコーチングや内省をしていく。
みんながそのように向き合えれば個人の可能性はもっと広がり、もっとイキイキと自分らしく社会に貢献できる人が世の中に増えていくのだと私は思います。

以上、ご一読に感謝です。

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