キャリアを考えるって何すればいいの?
みなさんこんにちは。いまむーです。
キャリアプラン、キャリア開発、キャリアアップ
キャリアカウンセリング、キャリアデザインなど
「キャリア」とつく言葉は世の中に数多くありますよね。
でもこの「キャリア」って一体どういう意味の言葉なのでしょう?
今回はそんな「キャリア」について考えていきます。
キャリア=「職業生涯」
では、厚生労働省によるキャリアの定義を見てみましょう。
「キャリア」とは、過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳されます。
厚生労働省 HPより
納得できる方も多いと思います。
過去現在の仕事だけでなく、今後どのような仕事をしていくか、またそのためにどのようなスキルを磨いていくか。
「どのようなキャリアを歩んできましたか?」
と聞かれたら、「職業生涯」のようなイメージを頭に描きながら答える方が多いと思います。
では、キャリア=「職業生涯」と理解する場合
キャリアを考えるとは一体何を考えればよいのか
まずは、職業生涯は非常に長いという大前提がありますね。
日本の平均寿命は近年やや下がり気味ですが、85歳まで生きると仮定した場合、定年退職してその年齢まで暮らしていくのは金銭的に難しくなっています。
そのため、働く期間は50年なんて言われたりしますので、
定年後の「セカンドキャリア」を考える事も一般的になってきているように感じます。
50年という職業生涯はどのように構成されていくのか。
果たして、職業生涯は個人がコントロールできるものなのでしょうか。
それとも企業が職業生涯の形を提供してくれるのしょうか。
日本の企業は終身雇用を前提に、企業が人材開発を主導することが多かったと思います。かつてのキャリアを考える主体は企業であることが多く、従業員は企業に身を任せてキャリアを歩んでいくケースが多かったと思います。
しかし、今や日本の平均勤続年数は約12年とされている通り、
終身雇用が限界を迎えて、既に変容していっています。
さらに企業の平均寿命は24年と言われていますので、
そもそも自身の職業生涯を、企業に身を任せていくのはかなり厳しいんですね。
途中で終わってしまう可能性が高いレールに乗っているだけでは、ゴールにたどり着ける可能性もうんと低いと思います。
キャリア=「人生」
組織心理学者のエドガー・シャインは、「キャリア」とは次のようなものであるとしています。
人の一生を通じての仕事、生涯を通じての人間の生き方、その表現の仕方
エドガー・シャイン著「キャリア・ダイナミクス」より
30年以上も前の書籍ではありますが、今の日本における「キャリア」を表すうえで的確な表現だと思います。
ワークライフバランスなんて言葉もありますが、現代において「キャリア」とは、「人生」に近いと思います。
今まで、全て自身が想像していたような人生を歩んできた人はあまりいないと思います。
企業が用意してくれるような「キャリア」はレールやルートに近いイメージを持ちますが、「人生」と捉えるのであれば、自身でレールやルートを計画するのはあまり現実的でないのかなと思います。
「キャリア」という言葉の語源は「轍(わだち)」と言われています。
轍とは、ぬかるんだ道を車が通ると車輪の後が出来る跡の事です。
舗装されていない道なんかはよくこの轍が出来ていると思います。
未来を描くような「道」や「レール」、「ルート」ではなく
これまでに通ってきた跡を示す「轍」なんです。
どのようなキャリアを歩んでいきたいか考える場合、
これまで紹介してきたように、
未来を計画し、その通りに職業生涯を歩むことはかなり難しいと思います。
しかし、どのような轍を作っていくか
そう置き換えたら、未来の職業生涯を計画するというのは少し違う気がしますよね。
どのような方向に進んでいきたいか
道を阻むものに直面したらどうするか
どそういった「スタンス」を考えることがキャリアを考える事に近いのかもしれません。一つの軸を持つことですね。
ではそれをどう考えていくか
エドガー・シャインの著書に
個人が自らのキャリアを形成する際に最も大切で、他に譲ることのできない価値観や欲求。また、周囲が変化しても、自己の内面で不動なものとして「キャリア・アンカー」という言葉が出てきます。
「キャリア・アンカー」は
3つの要素(コンピタンス、動機、価値観)と
8つのカテゴリー(専門・職能別、全般管理、自律・独立、独創性、保証・安定、奉仕・社会貢献、ライフスタイル、純粋な挑戦)
で構成されています。
全てのキーワードを紹介すると長くなりすぎてしまうので、
ぜひ「キャリア・アンカー」で調べてみてください。
これらの構成要素をもとに、自身はどのカテゴリーに比重を置いているかを整理することで、自身のキャリア・アンカーを分析することができます。
エドガー・シャインの著書にも自己分析ツールがありますが、個人で各カテゴリーの一つ一つと向き合ったりすることでもある程度分析をすることが出来ます。
ぜひ、自身のキャリア・アンカーを分析し、
今後の轍をデザインしてみてください。
以上です。ご一読ありがとうございました。