誰かと創る中で、私という存在が輪郭を持つ

孤独に机やスマートフォンに向かっているときには気づけない自分がいる。
仲間とぶつかり、笑い合い、ときに衝突しながら何かを創り上げるとき、はじめて「私」という存在の輪郭が浮かび上がってくる。他者のまなざしと、自分の想いが交差するその瞬間に、私たちは「自分とは何者か」という問いに少しずつ答えていけるのだと思う。
一人では見えない「私」
こんにちは、atteyaaのウッチーです。
就活やキャリアを考えるとき、「自分は何をやりたいのか」「どんな人間なのか」を知ろうと、自己分析に時間をかける人も多いでしょう。
もちろん、一人でじっくり考える時間は大切です。しかし、そこには限界もあります。
なぜなら「自分」という存在は、他者との関わりの中で初めて見えてくる部分が多いからです。
例えば、グループでの活動やチームでの企画に取り組むとき、自分がどんな役割を自然に担っているのか、どんなときにやりがいや苦手意識を感じるのか――それは一人ではわからないことです。
仲間と創る場面で、自分の強みや弱み、価値観やこだわりが露わになっていきます。そこにこそ、自己理解の手がかりがあるのです。
共創は「鏡」である
誰かと一緒に創る経験は、まるで鏡のようなものです。
他者の言葉や反応を通して、自分では気づかなかった自分を映し出してくれる。
「あなたのその一言でアイデアが広がった」
「あなたがまとめてくれたから、みんなが安心できた」
そう言われたときに、初めて「自分は調整役が得意なんだ」と気づくかもしれません。
一方で、「もっと積極的に意見を出してほしい」と言われることで、自分が遠慮しがちな傾向を知ることもある。
そのどちらもが、自己形成の材料となります。
他者とともに創り上げるプロセスは、時に摩擦や葛藤を伴います。しかし、その摩擦こそが私たちの輪郭を際立たせ、強くしていくのです。
見えてきた輪郭の“源泉”を探る
そして、その輪郭が見えてきたときに大切なのは「なぜ自分はそう感じたのか」を振り返ることです。
それをたどると、多くの場合、過去の原体験につながっています。
子どもの頃に夢中になった部活動の時間。
アルバイトで仲間と協力してトラブルを乗り越えた瞬間。
あるいは、挑戦して失敗し、悔し涙を流した夜。
その一つひとつが、今の自分の輪郭を形づくっている。
共創の場で「自分はこういうときに力を発揮するんだ」と気づいたなら、それを過去の原体験と照らし合わせてみてください。
「なぜ自分はこの役割を自然と担えたのか」
「なぜこの場面で心が大きく動いたのか」
そこに、自分の価値観や大切にしたい思いの“根っこ”があります。
輪郭を見つけることと、その源泉を振り返ること――この両方を重ねることで、自己理解はぐっと深まっていきます。
「成果」よりも「プロセス」が大切
もちろん、何かを創り上げるからには成果も大切です。文化祭の企画でも、ゼミの研究発表でも、プロジェクトの成果物でも。
けれど、振り返ってみると記憶に残るのは、完成品そのものよりも「そこに至るまでのプロセス」であることが多いはずです。
・徹夜で議論した夜のこと
・意見が合わなくてぶつかった瞬間
・役割を超えて助け合った出来事
その積み重ねの中で、私たちは「一人ではたどり着けなかった景色」を仲間と見ている。
そして同時に、「ああ、自分はこういうときに心が動くんだ」と、自分の中に眠る価値観を掘り起こしているのです。
キャリアに活きる「共創体験」
社会に出ると、ほとんどの仕事は一人で完結するものではありません。
だからこそ、学生時代のうちに「共に創る経験」をたくさん積んでおくことは、キャリアにとって大きな財産になります。
大きな成果を出すことよりも大切なのは、仲間とともに悩み、挑み、乗り越えたという「共創のプロセス」と、その過程で振り返る原体験を自分の血肉にすることです。
それが、社会に出てからの自分を支える軸となり、予想外の状況に立ち向かう力となっていきます。
さいごに
「誰かと創る中で、私という存在が輪郭を持つ」
そしてその輪郭を形づくっているのは、これまでの原体験です。
一人で考えるだけでは見つからない「自分」が、共創の場には眠っています。
そして、そこで見つけた自分をさらに深めるために、過去を振り返ってみる。
この往復こそが、自己理解を確かなものにしていくのだと思います。
atteyaaでは、さまざまな企業や人の「理念」「在り方」に触れることができます。
そして出会いの中で、自分を知っていくことができます。
ともに創り、ともに学び、自分の輪郭とその源泉を探していきたい方は、ぜひatteyaaをのぞいてみてください。