中小企業という選択肢
こんにちは、atteyaaのマツイです。
今回は中小企業のお話です。
日本の企業の99%以上が中小企業なのは少し有名な話ですが
(2016年時点で99.7% 出所:中小企業白書)
ほとんどの企業の存在を学生は知りません。
理由はとても簡単で、
- BtoB取引が多い
- CMを打たない
なので普段目にすることがない。からです。
ということは、学生は99%以上の企業を知らず(知れず)
知っている企業は0.3%にも満たないであると推測できます。
圧倒的な情報不足!!
学生が大企業偏重になるのは仕方がないと言えますね。
多くの学生の就活の流れは
- BtoC系業界(知っている業界)の
- 大企業(CMで見る企業)から始まり
- この数少ない企業とのご縁がなくなると迷走
というパターンです。
そして、この迷走中にたくさんの中小企業に出会うわけです。
中小企業で仕事に従事している方は全体の69%なのですが
(出所:中小企業白書)
みんながみんなそんな出会い方だとしたら
ちょっとそれは不幸だなと思ったりします。(そんなことはないと思いますが)
ということで、迷走する学生が中小企業ってそもそも何だろうか?
と思ってブラっと寄ってくれることを期待して
- 中小企業とは?
- 中小企業で働く意義
について書いてみたいと思います。
中小企業とは?
さて、学生の方もそうでない方も
実はなんとなくの感覚で企業をカテゴリ分けをしていませんか?
- 大企業
- 中堅企業
- 中小企業
- 零細企業
- ベンチャー企業
だいたいこんな感じに。
はい、でもここですでに大きな間違いが生まれています。
これらを全て同じ文脈で語ってはいけないのです。
正確には、
- 大企業と中小企業
- 中堅企業とベンチャー企業
- 零細企業
この分類で見なければいけません。
どういうことかというと
大企業と中小企業は会社の規模の話で、
実は従業員数や資本金によって産業ごとに明確に定義されています。
一方、中堅企業とベンチャー企業とは何か?というと
こちらは明確に定められていません。
中堅企業と聞くと、大企業と中小企業の間かな?
なんて思いがちですが違います。
中堅企業という規模的な定義はありません。
じゃあ、よく見聞きするベンチャー企業も含めて
この2つは何なんか?
中堅企業もベンチャー企業も、
実は「マインド」についての分類なのです。
!?
ちょっと驚きではないですか?
学生を含めた多くの方がこのあたりをごっちゃにして
大企業や中小企業と同じレイヤーで語ってたりします。
では、それぞれがどういうマインドか説明します。
まずは中堅企業です。
中堅企業とは、成長意欲を持ち
その業界の上位(シェアや売上)の会社へ追いつかんとする
規模的成長を貪欲に目指している企業のことです。
端から見てそういうマインドを感じるかどうか?です。
なので、ここはそれを裏付けるデータ等があれば一番ですが
個人の主観、直感的なものでもかまいません。
ベンチャー企業はわかり良いです。
新しい価値を創造して世の中に貢献しようとする姿勢
これを持ち合わせているかどうか?です。
ベンチャー企業と聞くと、いわゆるスタートアップ企業を連想してしまいますが
必ずしもそうではないということです。
大企業でも中小企業でもベンチャー企業となり得るわけです。
社内ベンチャーなんて言葉をたまに聞くかもしれませんが
これは、その企業において新しい価値を創造する役割の総称みたいなものです。
この社内ベンチャーがはたして本当にベンチャーか?
というと実は判断が難しいのですが、
このあたりは別の機会に譲りたいと思います。
最後に零細企業、こちらは完全にイメージとしての言葉です。
中小企業の中でも極めて企業体力がないことを伝える意味で使うことが多いです。
不景気に陥った際ニュースキャスターが
「このままでは地方の零細企業は大変です。」
なんてことを言うの想像出来ますよね?
もしくは、その当事者(主に社長)が
「いやいや、当社はまだまだ零細企業ですから〜」
と謙遜する際に使ったり。
まさに企業の小ささのイメージを共有するための言葉なのです。
というようなことをあらためて知ると、
一言で中小企業と言っても見方が変わってきますよね。
このあたりは「中小企業で働く意義」と密接に関わってきます。
その中小企業は、
- 中堅企業としてのマインドを持っているか?
- すなわち、規模的成長を貪欲に持っているのか?
- ベンチャー企業としてのマインドを持っているのか?
- すなわち、新しい価値を創造し社会へ貢献しようとしているのか?
こんな見方ができるようになりますね。
これを知っているかどうかで随分違うと思うのですがどうでしょうか。
中小企業で働く意義
ここで少し話が変わって目からウロコなお話をしてみたいと思います。
経済産業省の中小企業庁が発行する「中小企業白書」というものがあります。
実は、こちらに国が中小企業に期待することとして以下のキーワードが書かれています。
- 経営革新(イノベーション)
- 地域貢献
中小企業はイノベーションを起こし(経営を革新し)、
地域経済に貢献せよ!と言っているのです。
イノベーションは技術革新や創新普及(出所:玉田俊平太「日本のイノベーションのジレンマ」)
なんて訳されたりしますが、中小企業白書では経営革新とされています。
イノベーションって、それこそ大企業のやることなのでは?
もしくはスタートアップ系のベンチャー企業の得意分野なのでは?
と思いませんか?
はい、私もそう思います。ww
でも、ここにはちゃんとした背景があるのです。
今、日本は経済成長という意味では頭打ちです。
加えて、少子高齢化、超高齢化社会を迎え
様々な立場や世代での格差も生まれています。
昭和の高度経済成長と
昭和後期〜平成にかけての凋落
そして様々な課題を据え置いたまま日本は令和を迎えました。
世界もSDGsを合言葉に
サスティナブル(持続可能)であることを要求しています。
まさに内憂外患、日本は何から手を付けるべきなのでしょうか。
ここで話を戻します。
なぜ、経済産業省(=国家)は中小企業に経営革新と地域貢献を求めるのか。
企業の99%以上が中小企業だとお伝えしましたが、
その中小企業が支え、牽引したのが昭和の高度経済成長なのです。
だからこそ、
それを「もう一度やれ!」「やってくれ!」と求められているのです。
今の時代にアジャストすれば(経営革新)、
再び社会に新しい価値をもたらすこと(地域貢献)ができる。
なぜなら、ほとんどの中小企業が過去にそれを実現した企業だから
実現妥当性は低くはないはずなのだと。
というようなことを整理してくると
「中小企業で働く意義」が見えてこないでしょうか?
- その中小企業は中堅マインド、ベンチャーマインドを持ち合わせているか?
- その上で経営革新(イノベーション)に取り組んでいるか?
この問いを持って中小企業と向き合えば
その企業を媒介にして社会にたくさんの貢献をもたらすことができるのではないでしょうか?
余談ですが、大企業で中堅マインドを持てず(結果が出ず)
ベンチャーマインドも醸成されない(ベンチャー精神を育てることが出来ない)
そんな企業は山程あるわけですが、
大企業の不祥事を見れば、その理由も推して知るべしです。
多くの若者が、大企業偏重ではなく多様な中小企業と出会うことを願い
このBlogを終えたいと思います。
読んでくれてありがとうございます。