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採用面接で漫才ネタを作ってみて分かったこと

こんにちは、atteyaaのマツイです。

今日は得意の漫才です。(本当か?得意なのか?)

「採用面接」をネタに漫才を作ってみたところ
いろいろと想定していなかった気づきがありまして
それを共有したいなと思い今回のブログとなりました。

よろしくお願いいたします。

【漫才:採用面接】

どうも〜(パチパチパチ(拍手))
A:いやぁ、就活をやり直したいなーと思って。
B:へー、なんで?
A:今思うと、面接とかぜんぜんうまくできなかったなーって。
B:じゃあ、面接とかやてみる?
A:うん。

—面接シーン—
B:始めに自己紹介をお願いします。
A:山手線で参りました、田中と申します。
B:あー、山手線ね!今日は混んでましたか?って移動手段は聞いてないねん!
A:え?
B:普通は大学とか学部とか言うねん。
A:へー。
B:そんなんも知らんのかいな。自己紹介は大学とか学部を言うんやで、わかった?
A:わかった。

◯◯大学□□学部から参りました。◯◯です!
このテンプレートは面接の冒頭挨拶としてけっこう鉄板ですよね。
で、そこでどの鉄道に乗って来たかということを言っちゃうというネタです。
本来はどの大学からか来たか?を伝えるわけですが
どうなんでしょう?移動手段、どの沿線で来たかということを言われると
面接官は本当に困るのでしょうか?
大学や学部は履歴書に記載しているでしょうし、
今日、どうやってここへ来たのかという情報は話のネタとしては悪くないと思うのです。
加えて、大学や学部を自己紹介させるということに何の意味があるのか?
あらためて少し考えてみる必要があるように思います。

続けます。

—面接シーン—
B:始めに自己紹介をお願いします。
A:東京大学に行きたかった。田中と申します。
B:そうそう、東京大学いい大学やしね〜!ってあの頃の気持なんか聞いてないねん!事実を聞いてんねん!
A:事実、なるほど。
B:そう事実や!わかった?
A:わかった。

A君、在籍している大学ではなく、行きたかった大学を言っちゃいましたね。
まさかとは思いましたが、A君はなかなかぶっ飛んだキャラクターです。
これどうなんでしょう?東京大学に行きたかったという情報はけっこう大事な気もするのですが
事実を伝えろ!とB君はツッコミを入れるわけです。
A君が「東京大学に行きたかった」という事実もあると思うのですが
面接という「型」にハマらないことがB君としてはNGのようです。

続けます。

—面接シーン—
B:始めに自己紹介をお願いします。
A:東京大学に行けなかった。田中と申します。
B:あー行きたかったけど行けなかったんですねー、って知らんわ!!その事実はええねん。そのなことまで言い出したら自己紹介が自伝みたいに長くなってまうやろ!端的に!短くや!
A:短く、なるほど。
B:そう、短く。わかった?
A:わかった

東京大学に行きたかったけど、行けなかったんだと。
A君、正直な事実を吐露してくれました。
ここにはA君の大事な物語がありそうな予感がします。
これ、自己開示が凄まじい、すごい自己紹介です。
面接の冒頭で、自らの失敗を語るなんて
私はこのA君に興味しかありません。

続けます。

—面接シーン—
B:始めに自己紹介をお願いします。
A:東大の田中です!
B:嘘はあかん!いくら端的にって言うても大事なところは端折ったらあかん!
A:端折ったらあかんの?
B:当たり前やろ。東大の件は言わんでええ。わかった?
A:わかった。

A君に混乱が見えます。
B君からの指摘に対応しようとするあまり
とうとう嘘を言っちゃいました。(嘘になっちゃいました)
あきらかにA君が情報過多になっています。
B君が求める面接の「型」に適応しようとして脳が消耗している。
そんな風にも受け取れます。
がんばれ、A君!
負けるな、A君!

続けます。

—面接シーン—
B:始めに自己紹介をお願いします。
A:私の名前は田中です。
B:うん、嘘はついてないし大事なこと端折ってないけども、ニューホライズンの自己紹介みたいになってもうてるで!
A:これは事実です!
B:ここで「事実です」って言うたら余計怪しいわ!普通は事実しか言わんねん!じゃあ志望動機を教えてください。

My name is Tanaka.
圧倒的事実のみの、とても丁寧な自己紹介となりました。

続けます。

—面接シーン—
A:し・ぼ・う・ど・う・き・???
B:そう、志望動機を教えて下さい。
A:・・・私の名前は田中です。
B:それもう聞いたって!
A:・・・私の名前は、
B:もうええわ!もしかして志望動機知らんの?
A:うん。
B:やばいな!なぜうちの会社に興味を持ったのか?なぜ面接に来てくれたのか?ってこと。
A:なるほど、それのことか!
B:どれやと思っててん!志望動機、わかった?
A:わかった。
B:では志望動機を教えてください。
A:品川からなんで、山手線に乗るか、京浜東北線に乗るか正直迷いました。何も考えなければ山手線やし、でも京浜東北線の方が手前やし、到着したあとのアクセスまでを考えると山手線かなと思って、山手線で来ました!!
B:山手線で来た理由聞いてへんねん!
A:えっ?
B:えっ?やあらへんねん!なぜ今日この会社に来てくれたのか?それが聞きたいねん!わかった?
A:わかった。

原点に戻りましたね。
そしてA君は志望動機が分からないというツワモノでした。
志望動機って面接でとても大事なように思いますよね。
でも、本当にそうなんだろうか?なんて最近は思ったりします。
「どうやってここへ来たのか」という物語やバックグラウンドに
A君は何かとても伝えたいことがあるんでしょうね。(知らんけど)
もしくは、鉄道や沿線、そういったことへの造詣が深いのかもしれません。(知らんけど)
B君はもっとそこを深く聴いてみても良いのかもしれません。

続けます。

—面接シーン—
B:志望動機を教えてください。
A:志望動機、それがあればどれだけ素晴らしいか。私は何に興味があり、何が得意なのか、それが分かれば苦労しない。そう、志望動機がないからこそ、今私はここにいる。
B:なるほど!それが真理かも〜って!!ほぼ中身ないやんか!まぁでも、不思議と田中君の人となりはある程度わかった気がするわ。田中君うちの会社でインターンでもしてみるか?
A:本当ですか?ありがとうございます!よろしくお願いいたします!
B:よろしく。田中くん!
A:私、本名は森田って言うんです!
B:そこ事実とちゃうんかい!もうええわ!

名前が嘘だったというまさかのオチだったわけですが
その裏でこの一連のやり取りの中でB君はA君を理解し始めているという事実が描かれています。
これ、大事ですし、意外と「あるある」だと思います。
面接の「型」がうまく機能することは少ないです。
その「型」を捨てて、0からその場を作っていくことが面接であり、コミュニケーションなのです。
効率や規律のために「型」を欲しがり、それを作るのが大事な側面もありますが
ほとんどのケースにおいて、それらは本来の目的を薄れさせます。
A君の志望動機は「型」を無視したものですが、B君が言うように真理かもしれません。
私は、答えを持っていない。でも、考え、学び続けている。だから面接に来たんです。
そう言ってるように聞こえます。

「型」を覚えることも大事だけれど
それが学びを阻害し、成長を阻害することが多々ある。
そういう意味で、A君は「型」を無視し、極めて自然体だったと言えます。
「型」に合わせることで「らしさ」を失う(自分を失う)瞬間も垣間見れました。

「型」を意図的に使ったり、離れたりする。
もしくは決して「使わない」という手もあるのではなかろうか。

そんなことを考えた次第です。

読んでくれてありがとうございます。

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