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日本語の言語文化が引き起こすコミュニケーションエラー

みなさんはじめまして、こんにちは。いまむーです。

さて、今回のブログは「コンテクスト」というものがテーマです。
コンテクスト=直接的な言葉の裏に込められた状況や背景、文脈を意味する言葉です。

分かりやすい例を挙げると
後輩から「お腹がすきました」という直接的な言葉をかけられたときに、
コンテクストを読まないで解釈するなら、ただ単に「お腹がすいたんだな」という印象しか持たないと思います。

これを、お昼休みの時間になっている状況や、職場の後輩という立場的な状況などのコンテクストを読んで解釈すると、
「お腹がすきました」=『仕事はその辺にしてお昼食べにいきませんか?』というメッセージが込められていることが分かると思います。

このような、直接的な言葉の裏に隠れたメッセージは日常でも仕事でも良くあると思います。
特に日本語は世界でもトップレベルの「ハイコンテクスト」な言語文化であることで知られています。

この「ハイコンテクスト」という言葉は「ボディーランゲージ」という言葉を提唱したことでも知られる異文化コミュニケーション学の先駆者である、アメリカの文化人類学者エドワード・T・ホールさんが自身の著書『文化を超えて』より提唱した造語です。
直接的な言語以外に込められる意味が多いほど、ハイコンテクスト。その逆がローコンテクストになるそうです。

その著書の中では著書の中でハイコンテクストな言語文化の代表として日本語の言語文化が挙げられています。

例えば、しみじみ、つくづく、すべすべ、つるつる、のようななんだかうまく言語化できないけど感覚で伝わるような、
いわゆる「オノマトペ」の種類が圧倒的に多いのもハイコンテクストな言語文化である日本語の特徴的な部分といわれています。

直接的でない言葉や感覚的な言葉や伝わるのは、文化の共有度合いが大きいことがその要因とされています。
なので直接的な言葉ですべて説明しようとしなかったり、
相手の発言から何かほかの意図を読み取ろうとしたり、
空気を読んで解釈したりといったコミュニケーションが当たり前のように発生します。

しかし、仕事においてはこのハイコンテクストな言語文化に慣れきってしまったがために、「ここまで説明しなくてもわかるだろう」と思っていたら説明不足によるミスが起きたり、
逆に相手の背景や経験などを読めずに、わざわざ説明しなくてもいいことを長話してしまい退屈になってしまったり、
直接的な言葉を避けて忖度し合った結果、会議がなかなか進まなかったり、

このようなコミュニケーションによる不具合が仕事にはつきもので、多かれ少なかれどのような職場でも発生する問題だと思います。

こうしたコミュニケーションエラーの解決策としては
「ローコンテクストなコミュニケーションを心掛ける」ことがまず挙げられます。

つまり、相手との文化の共有レベルが不十分な場合、1から10までしっかりと直接的な言葉で伝えることです。
急速にリモートワークが社会に広がったり、急速にグローバル化が進んだ会社などではこの「ローコンテクスト」なコミュニケーションの推進によりコミュニケーションエラーを減らそうとする取り組みがされていたりします。

しかし、「ローコンテクスト」なコミュニケーションにもデメリットがあります。特に日本語の言語文化に慣れてしまった方が多い環境では、話が長く感じてしまったり、非効率さを覚えるなどでストレスが発生しやすいことも事実です。

その場合、「ローコンテクスト」なコミュニケーションを無理に意識しなくても「文化の共有レベルを上げる」ことが解決策につながります。

新しく組織に参入してきた人間には組織の文化や暗黙のルールなどを浸透させるようにして、積極的にコミュニケーションをとるようにすることで
組織におけるメンバー間の文化の共有レベルが上がり、
「ハイコンテクスト」なコミュニケーションでもコミュニケーションエラーの割合はぐっと下がると思います。

初対面の人とのコミュニケーションや、
なんだか上手くコミュニケーションが取れないというときには、是非この「コンテクスト」という概念とその種類を思い出していただき、
コミュニケーションエラーによる仕事の失敗を解決したり、コミュニケーションによるストレスを減らす助けになれればと思います。

以上です。ご一読ありがとうございました。

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