Designの意味から考える、キャリアデザイン
こんにちは、atteyaaのマツイです。
デザインから考えるキャリアデザイン
本日はこんなタイトルで臨みたいと思います。
キャリア教育というものが登場し
みんなが口々に発し始めた言葉、キャリアデザイン。
「キャリアデザインが大事だよね!」と言われれば
「まあそうだよね」となるし
「キャリアデザインができていない」と言われれば
「はい、すみません」となる。
一方でこのDesignという言葉がなかなかにやっかいで
日本人がイメージする一般的なデザインという言葉
これとは違うニュアンスを持ち合わせていたりします。
Designが包括する意味を探るために
ちょっとした質問を投げてみたいと思います。
次の写真を見て
「これは何のデザインか?」と問われれば
皆さんは何と答えますか?
どうでしょう。
モノのデザイン
お土産のデザイン
などなど多様な思いが巡るのではないかと思います。
このモノがもたらす結果に注目して
笑顔のデザイン
喜びのデザイン
なんて発想もあるかもしれません。
ではこちらの写真はどうでしょうか?
街のデザイン
生活のデザイン
パッと思いつくのはこんな感じでしょうか。
さらに高く思いを馳せれば
未来のデザイン
私たちのデザイン
とかとか色々と言えそうな気もしますね。
いかがでしょう。
2枚の写真を見て
「これは何をデザインしているのか?」
と考えてみたわけですが
主に2つの捉え方があるように思うのです。
- モノ(物)やコト(事)のデザイン
- ヒト(人)を取り巻く様々な経験や感情のデザイン
デザインの「具体と抽象」と言い換えてもいいかもしれません。
何のデザインか?と思考する過程で
思考は具体と抽象を行き来している
手元の意匠的なデザインから
それがもたらす効果効能、時間的奥行きまでを含めたデザイン。
デザインとは実に多様に捉えることが可能で
その意味には奥行きがあるのだとあらためて気付かされます。
最後にこの写真はどうでしょうか?
・・・。
設計?
設計のデザイン?
建築のデザイン?
これこそがいわゆるデザイン?
そうなんです。
これもデザインのイメージなのです。
緻密かつ綿密に、設計する。
このイメージがなかなかに強い。
事実、デザインの辞書的な意味としては「設計」となります。
この辞書的な意味が
日本人がデザインひいてはキャリアデザインというものを咀嚼する上で
多分に正しい理解を阻害している要素ではないか?
そんな疑いが私にはあります。
先ほど写真を見て「何のデザインか?」と考えるとき
目の前の事実(写真)からとても感覚的なものも想起させて
これは◯◯のデザインだな、とか考えたわけです。
にもかかわらず、デザインは設計だという。
何だかモヤモヤします。
Wikiでデザインの語源を見てみました。
デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく、
Wikipedia
“計画を記号に表す”という意味のラテン語designareである。
つまりデザインとは、ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、
それを様々な媒体に応じて表現することと解される。
日本では図案・意匠などと訳されて、
単に表面を飾り立てることによって美しくみせる行為と解されるような社会的風潮もあったが、
最近では語源の意味が広く理解・認識されつつある。
形態に現れないものを対象にその計画、行動指針を探ることも含まれ、
就職に関するキャリアデザイン、生活デザイン等がこれにあたる。
おお!さすがwikiです。
何だかこのブログで逡巡していたことをうまく書いてくれています。
「思考・概念の組み立てを行い」という表現、
ここにもデザインを理解するヒントがあります。
デザイナーの原研哉さんは著書「デザインのデザイン」の中で
以下のようなことを述べています。
デザインという言葉には、情報を意図的に構築するという意味が含まれる。
Information Architecture、情報を建築するという考えであり
これは極めて西洋的思考だと。
一方、東洋的な捉え方をすれば
情報を受け取る鍼灸のツボ的なものが体全体にあって
そこから情報を受容し昇華していく。
情報を建築する、情報を受容する。
なるほど。この違いですね。
西洋的と東洋的となっていますけど
場合によっては論理的思考と直感的思考と言っても良いかもしれません。
(少し違うところもあるかな?)
情報を建築するという根本的かつ社会的な感覚が
Designの意味を多様にし
多くの日本人に誤解を与えてしまっている。
情報を構築し意味を与える
そんな感覚が強いから
キャリア(人生)すらもキャリアデザインなんて言えるんですね。
情報を受け取って(受容)
五感をフル活用し自分のモノへと昇華する。
それが東洋的で日本人の感覚にも近い気がします。
ここまで考えてくると
どちらの理解においても
大事なのは情報、経験なのだということが分かります。
どうでしょう。
今一度「キャリアデザインとは?」
考えてみても良いのではないでしょうか?
読んでくれてありがとうございます。