ガクチカを考える
Q:あなたが学生時代に力を入れたことは何ですか?
はい、これがガクチカです。
学生さん、これ聞かれますよね。
「ガクセイ時代」「チカラを入れた」から
「ガク」と「チカ」を使ってガクチカ。
分かりやすいネーミングですね。
あらためて、
Q:あなたが学生時代に力を入れたことは何ですか?
なんて答えますか?
ここで、「はい、上腕二頭筋です!」なんて答えてはいけません。
それは、力を入れた「とこ」になっちゃいますからね。要注意です。
ただ、自衛隊とか警備会社とか一部のマッチョが歓迎される仕事ならOKかもしれません。
そこは個々の判断で使い分けて下さいね。(笑)
実際に多い答えは、
- アルバイト
- 部活もしくはサークル
- ゼミ(学業)
- 学園祭や学生団体活動
こんな感じです。
では、再度
Q:あなたが学生時代に力を入れたことは何ですか?
A:はい、私は飲食店の●●で3年間アルバイトをしました。
最初はホールスタッフとして勤務し、最近は後輩の指導員を任されています。
また、人手不足ということもあって、2年目からはキッチンを任させる機会もあり最初は混乱しました。
ただ、貢献したいという思いと、負けず嫌いが幸いしてキッチン業務にも慣れ
最近ではどちらでも対応できる貴重なスタッフとしてお店からは評価いただいております。
こんな感じです。
どうですか?
何か伝わりますか?
自分で書いてみてあれですが、何も伝わってきませんよね(笑)
今回はあるあるな回答をマネて作りましたけど
だいたい似たような感じです。
でも、企業はガクチカを聞いてしまい、
だから、学生はガクチカを磨きます。
磨けば磨くほど、その学生の本質は見えなくなります。
いや、本当の意味で研磨すれば本質が光り、輝き始めるんですけど、
多くの学生は無駄を削ぎ、研磨することをせずに、
良いことを伝えようとし、飾り、装飾してしまうのです。
極めて不毛です。
企業は無駄なことを聞いてしまうことになります。
でも、学生が悪いわけではありません。
にもかかわらず、なぜガクチカを聞いてしまうのか?
という問いが大事です。
なので、
Q:企業はなぜガクチカを聴くのか?
これを考えましょう。
本当は聞きたくない。
これが答えだと思います。
えーーー!!!!って思いました?
いや、これ言い得て妙ですが、おそらく間違っていません。
企業は学生が何をしてたのか、興味はありません。
これが真実です。
本当は、
Q:あなたは本当に活躍するの?
Q:いやマジで?ホントに?
Q:ホントに?ホント?それはなぜ?
ダイレクトに、問答無用でこう問いたい。
関西弁にすればもっとリアルかも?
Q:ホンマにお前は活躍できんの?
Q:ホンマか~?ホンマに言うてる?
Q:ホンマにホンマ?それは何でなん?
どこぞの漫画や漫才の世界ですね。(笑)
結局は、企業はここを知りたいだけなんですけど、
これ聴かれても、ほとんどの学生がうまく答えられないだろうし、
実際に尻込みしますよね。
なので、別の方法でそれを知ろうとしている。
その代表的なテンプレートがガクチカなんですね。
学生が話してくれる内容から、
考え方を知り、
行動パターンを知り、
その理由を知ろうとする。
そうです。
国語のテストのようなことをしているのです。(笑)
Q:学生はなぜこのようなガクチカを話したのでしょうか?
企業はずっとこの問いと向き合っているのです。
なので、ガクチカを飾れば飾るほど、
学生の意に反してこの国語のテストは難易度が上がります。
すると、
この子は何を考えているか分からない。
悪くないけど、普通だな。
話はきれいだけど、長い。
なんて思われます。
これ、すべて企業としては
「知りたいことを端的に伝えてくれない」ということで、
すなわち
「この子、面接の意味を分かってないな」となるのです。
企業は本来知りたくないことを聴き、
誤解した学生は複雑に回答し、とても難しい国語の読解問題が発生する。
これを繰り返していしまっているのがガクチカ症候群です。
(注意:ガクチカ症候群という言葉はありません。)
繰り返しになりますが、これはとても不毛です。
でも、ガクチカを飾ってしまうと、こういう事態に陥ります。
感覚的ではありますが、7~8割の学生がそうではないでしょうか。
では、ガクチカを本当の意味で磨いた場合はどうなるか。
では、もう一度
Q:あなたが学生時代に力を入れたことは何ですか?
A:はい、アルバイトは飲食店の●●を3年間やっています。
ホールとキッチンを担当して、後輩の指導なんかもやってます。
そういう意味では、アルバイトの話よりも、後輩とかそういった人間関係構築の
話の方が私っぽいので、そっちの話をさせていただきます。
よろしいでしょうか?
面接官:はい
A:アルバイトに限らず、サークルや大学のクラスでも何かの中心になったり
リーダ的な役割を担うことが多かったです。
リーダがしたいというよりも何か主体的に動くこととか、周りを巻き込むとか、
そういうことが好きで結果的にリーダ的なポジションになることが多かったんっだと思います。
ただ、本当の意味でリーダシップの気質があるわけではないので、様々な人間関係のトラブルもあって、
傷ついたりすることもあったんですが主体性や人を巻き込むエネルギーという意味では社会人1年目からでも発揮できるのではないかと思っています。
どうでしょうか?
何か伝わりますか?
悪くないですよね?
えっ?出来すぎですか?(笑)
う~ん、たしかにここまでうまく話せるかというと
そこはまた別のスキルになるのであれなんですが、
大事なのは話すスキルではなく、こういう温度感のある内容なんです。
これを話せるようにするために自己分析をするんですよね。
表面的なガクチカを語るために自己分析をしているわけではなく
こういった自分のコア(芯)を語るために自己分析をしてるんです。
例の答えがすごくエネルギー量が高めなので、
誤解のないよう違うパターンの答えも記載して
このブログは終わりたいと思います。
では、最後
Q:あなたが学生時代に力を入れたことは何ですか?
A:はい、私は●●で接客のアルバイトを続けています。
仕事を覚えるのは大変でなかなか慣れませんでしたが
新しく覚えたことは毎日スマホにメモして、
慣れるまでは毎日それに目を通してから仕事を始めるようにしていました。
そういう意味ですと、昔から要領が良いとは言えなかったので何かをメモしたり、
まとめたりすることで改善してきたなと感じています。
勉強も昔は苦手だったんですが、ノートの取り方とか勉強の仕方を工夫して
そこからは勉強も楽しくなって、高校や大学受験の時も前向きに取り組めました。
マイペースではありますが、自分なりにコツコツとやるというのが私らしさかもしれません。
企業はガクチカを知りたいわけではない。
あなたの本質を知りたいだけ。
間違って飾ってはいけない、無駄を削ぐように磨くのです。
磨いた刃(答え)は、鋭く相手に突き刺さる。
読んでくれて、ありがとう。