日本に比べて人件費が安価な外国人人材を活用したビジネスは衰退する?【オフショア考察】
みなさんこんにちは。
突然ですが、オフショア開発って聞いたことありますか?
Off(離れた)Shore(浜辺)で開発、つまり簡単に言えば人件費を抑えるために海外でソフトウェアやシステムの開発をすることです。
賃金の安いアジア諸国に開発を依頼することで、日本で開発するよりリーズナブルに開発できます。それに加え、日本で不足しがちなIT人材が豊富なこともメリットの一つです。
日本のIT企業のおよそ半分が実際に行っているオフショア開発、IT企業への就職を考えている学生には縁のある話かもしれませんね。
ここで一つの疑問が生まれますが、このオフショア開発、持続可能性はあるのでしょうか。なぜなら、オフショア開発を受注するアジア諸国の企業の賃金は急速に上昇しつつあるからです。
例えば中国、賃金上昇率は毎年5%以上を記録しています。このままの成長速度だと…近いうちに日本と同じくらいの給与になりそうですね。(オフショアビジネスの中では中国は既に高い、と言われています。)
中国の賃金上昇に伴い、中国に代わるオフショア開発先国として人気になっているのはベトナムやインド、フィリピンです。これらの国々はまだ日本に比べると賃金が安いです。発展途上国というイメージを皆さんもお持ちなのではないでしょうか。
ただし、先ほど上げたベトナムやインド、フィリピンという国も中国と同じように高い賃金成長率を誇っています。賃金が高くなったら、別の途上国に開発場所を移す、という方法では行き当たりばったりで「人件費を安くするためのオフショア開発」は衰退する可能性が高いのではないでしょうか。
ちなみに、今オフショア界隈ではミャンマーが注目されていたり。アジア最後のフロンティアと言われ、人件費は最安クラスです。(ミャンマー人の大卒平均月給は2万円程度)
実際にミャンマーのオフショア開発や生活についての記事もあるのでぜひ。
話を戻して… オフショア開発の将来についてですが、筆者としては衰退はしてもなくなることはない、と思っています。なぜなら、日本で不足しがちなIT人材が外国では手に入るからです。
たとえば、インドはITに強く、英語を話す人が多いため多くの海外企業が進出先に選ぶ国の一つであります。ベトナムは政府主導、国としてIT人材の育成に力を入れています。
実際にいくつかの日本企業は、コスト削減はあきらめて人材確保にフォーカスし始めています。外国人エンジニアを採用して日本本社へ招待、育成して、将来的には海外企業と日本企業との架け橋になってもらおうという作戦です。
そこで採用される外国人エンジニアにとっても、日本での生活が保障されている中、お給料ももらえて、日本語を学びながら育成してもらえる。魅力的な環境だと思います。(たとえば現状ベトナム人にとって、日本は魅力的な勤務先の一つです。)
将来IT企業への就職を考えているならオフショア開発に直接関わる機会もあるかもしれません。IT企業でなくても、IoTや5G、デジタル化、キャッシュレス化が進む現代社会では、あらゆる企業がソフトウェアやシステムの開発・構築に関わる必要が出てくるかもしれません。
オフショア開発をとっても、ITは「コストを削減するもの」から「価値を生み出すもの」にシフトしているのかもしれません。(もちろん、IT技術はコスト削減にも有効ですが)
知っておいて損はない、そんなオフショア開発についてでした。