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エフェクチュエーションを書いてみる

前回の私のブログでは、以下のようなブログを書きました。

就活でキャリアは決まらない(エフェクチュエーション)

就活でキャリアは決まらない(エフェクチュエーション)

エフェクチュエーションという新しい思考様式、
これが意外に就活にも活きますよ!というお話で
エフェクチュエーションを説明するというよりは
「そういう考えがあるらしいよ」という程度に留めて
興味があれば調べてみてね。というスタンスでした。

で、3週間が経ちまして、色々と言われ、何だかモヤモヤとうずくわけです。
ちなみに、何か言うのは内なる自分の声であって
私なんかのブログには他人からのフィードバックなんてありません。(T_T)

ということで、私はやっぱりエフェクチュエーションを説明したい!ww

エフェクチュエーションの研究者(言い出しっぺ)は
サラス・サラスバシーさんです。
お名前的にも何かを表に見える化すること、
「晒してしまう」ことがお得意なのだろうと思われます。
何でも晒されそうで、お近づきになるのが怖いですね。ww

エフェクチュエーションとは、
エキスパートの起業家が極めて高い不確実性に
対処するために用いる思考様式である

サラスバシーさんはこう言っています。

順に晒していきましょう。
エフェクチュエーションには以下の原則があります。

1.手中の鳥の原則
2.許容可能な損失の原則
3.クレイジーキルトの原則
4.レモネードの原則
5.飛行機のパイロットの原則

一つずつ見ていきます。
ちなみに、これからお伝えするエフェクチュエーションの考え方や説明には
私なりの理解と私なりに言語化したことが多分に含まれます。
なので少しでも違和感を感じた場合は迷わずググってください。
(また他人任せかい!!ww)
他にもっといい記事があります。(T_T)
私はアカデミアの人間ではなく、実務家の人間ですので、
理論の活かし方や解釈の仕方には多少ばかり胸を張れますが、
それがいかに学術的に正しいか?と問われると
まったくもって担保できないのです。すみません。

1.手中の鳥の原則

これは、かんたんに言うと「まずはやってみよう!」です。ww

サントリーの「やってみなはれ!」やナイキの「Just do it!」
これにに通じるものがあります。
それをなぜ「手中の鳥」なんて言い回しをしているかというと
今、自分が持っている物でやれることからやってみる。
ということなのです。
手の中にあるものでJust do it!ということを言っています。

企業活動というものは、
目標を定め、計画を練り、
リソースを集め、キックオフミーティングを催し、
みたいに色々と計画的かつ戦略的に取り組むわけです。
でも、優れた起業家は自分が使える(扱える)もの(=これが手中の鳥)
で、とりあえずやり始める。

何だか拍子抜けするような原則ですが、
言われてみれば人は自分ができることを過小評価していたり
そこまで見えていないことがあるように思います。

自分が何者か?(個性を形成したエピソードとか)
自分は何が好きか?
自分は何が得意か?
自分は何を持っているか?
自分は何を知っているか?
自分は誰を知っているか?
自分は何に興味があるのか?(どんなことに心惹かれるのか?)

手中の鳥はモノだけではありません。
価値観や経験、能力、趣味趣向まで自分にまつわるあらゆることです。
これらを使って、まずやってみる。
これが「手中の鳥の原則」なのです。

2.許容可能な損失の原則

「まずはやってみよう!」
なるほど。
まあ、それは分かるけれども、
ビジネスの世界では収支の問題がありますよね。
というのが多くの方の感想かもしれません。

多くの企業や経営者、企業内の悩めるイノベーターが
最初にぶち当たる壁かもしれません。
でもこの壁を超えることはできません。残念ですが。

なぜなら、まずはやってみよう!で始める不確実なことに
説得力のある収支計画を用意することがそもそも不可能だからです。
なので、
「どこまでの損失なら許容可能なのか?」
を予め決めておくということです。
この損失というのは、まさに収支的なものもありますが
企業の信頼や信用という側面もありますし、
企画を推進する立場の担当者目線であれば
自身の社内的評価も含まれます。

どのくらいのコストであれば許容可能なのか?
やることで失うものはコスト以外に何があるのか?
やらないことで失うものは何なのか?

これらを予め決めておく(考えておく)ことで
企業やその担当者、ひいては起業家は
手中の鳥を活かして活動的になれるのです。

不確実だと分かっているにも関わらず、
収支計画を提出したり、させたりするのは不毛ですよね。
優れた起業家は、
「まあ、これくらいまでならOKだよね」という範囲を決めている。
そこまでやってみてダメそうならまた別の「手中の鳥」を考える。
そんなことをやっているんです。

3.クレイジーキルトの原則

キルトって日本人はあまりピンとこないというか、馴染みがないですよね。
パッチワークと言ったほうがイメージは共有しやすいように思います。
「まずはやってみよう!」でやり始めたことに対して、
いろんな人が反応をしてくれます。
そこで好意的に関与してくれようとする人たちは様々なものをもたらしてくれます。

気づかなかったアイデアをくれる
新しいビジョンを提供してくれる
ひたすら応援してくれる
仲間を集めてくれる
お金を出してくれる

そのコミットメントの違いはあるものの、
この偶然のご縁をつなぎ(端切れを縫って)一つのキルト(布)にする。
当初イメージしていた一枚布とは違うかもしれないけれど
手中の鳥からはじめてみて、
そこに関わって、コミットメントしてくれる方々がいる。
それを紡いで何かしらのカタチにするのが
言い出しっぺの仕事なのだと思います。

カタチに拘りすぎず、仲間との出会いを有益なものへ変えていく。
クレイジーキルトとはよく言ったものだと思います。

4.レモネードの原則

これ、私が好きな原則です。

・「まずはやってみよう!」でやってみて
・許容可能な損失を定め
・集まる仲間と模索する

ここまで進むと、当初思い描いたものとは違う結果が出ることがあります。
想定外というやつです。
そもそもエフェクチュエーションは
予測不可能で不確実な世の中に対処するための思考様式です。
であるならば当然ここが真骨頂です。
レモネードというのは、悪いレモンが手に入ったのであれば、
発想を転換してそれをレモネードにすれば良いじゃん!という意味です。
発想の転換にもいろんなケースがあると思います。

・作りたいものとは違うものができた
・考えていた効果とは違う効果がありそうだ
・副産物として●●●が得れた

ここで大事なのはリフレーミングです。
状況を変えたり、
意味を変えたり、
そうすれば活かせるものはたくさん出てくるはずです。
全てのプロセスで得ることができる「学習そのもの」、
これすらもレモネードと捉えることができれば
その組織はとてもエフェクチュエーション的で、
とても強い組織なのではないかと思います。

5.飛行機のパイロットの原則

最後のこれ、子供っぽいネーミングだと思っています。
「手中の鳥」もそうですが、なんでこんな言い回しなんでしょうね。
英語圏ではよく使う慣用句なのでしょうか。なぞのダサさです。ww

でも、それ故に分かりやすいです。
ここまで感覚的なことを書いてきましたが、
エフェクチュエーターはこれら全てを
飛行機のパイロットの様に監視(管理)し、
天候の状況(周りの状況)に合わせて飛行(推進)できるように
コントロールしましょうね、ということです。

緊急着陸が必要なこともあるでしょうし、
ガソリンを給油して(許容可能な損失の再定義も含みます。)
再度テイクオフするときもあるでしょう。
そんな原則を語っているのが「飛行機のパイロット」です。
他に例えがなかったんですかね。
なかったんでしょうね。やっぱりダサいです。ww

例えば

さて、エフェクチュエーションについて書かせていただきました。
これを就活やキャリア開発に置き換えると次のようなことになります。

1.手中の鳥
・就職活動で何をしたら良いかわからない
・自分は行動力はあるので様々な会社の説明を聞いてみることにする

2.許容可能な損失
・考えてみれば実家ぐらしで生活には困っていない
・両親も「自由にじっくり考えろよ」とアドバイスをくれている
・であれば、しっかり考えることを優先
・卒業時に就職先が決まっていなくても「よし」とする

3.クレイジーキルト
・興味のある業界が2つ
・興味のある会社が3つ
・親身になってくれて尊敬できる社会人の先輩が2名
・まずはこの繋がりやご縁を大事にキャリアを考えてみる

4.レモネード
・興味のある会社とはご縁がなかった
・尊敬できる先輩が海外赴任となってその会社がアシスタントを募集している
・正社員ではないが良い経験が積めそうなのでアシスタントに立候補してみた

5.飛行機のパイロット
・海外に駐在して2年
・先輩との海外生活は有意義だが
・自分自身のキャリアを考える時期かもしれない
・そのことについて先輩と会話してみた(みる)

どうです?他人が聞けば立派なキャリアがスタートしてますね。
さらにコロナ禍に置き換えるとどうなるでしょうか。

1.手中の鳥
・コロナの驚異は分からないが
・とりあえずマスクと手洗いうがいはやってみる
・その上で免疫が上がりそうな大好物の餃子を積極的に食べてみる

2.と3.と5.はコロナの場合は難しいのでスルーして、

4.レモネード
・コロナ感染の予防になっているかどうかは分からないが
・結果的にインフルエンザにも罹らないし
・その他免疫力も上がったように感じる
・市販の餃子に詳しくなり
・こだわりの手作り餃子も作れるようになった

更に補足すると、
料理は極めてエフェクチュエーション的だと言われています。
世のお母さんたちはいつも「今日の晩御飯は何にしようかしらん?」
と悩んでいるわけです。(とても切実です)

結果、悩んだ末にハンバーグだとしても、
バカな(あえてバカと言います)家族から言われることは

・今日の昼もハンバーグだったんだけど(by 旦那)
・昨日も肉だったよね・・・(by 息子)
・今日は肉の気分じゃなーい!(by 娘)

なんてことを飽食日本のバカな(あえてバカと言います)家族たちは言うわけです。
私はここから喧嘩に発展する家庭を(過程を?ww)よく知っています。
では、以下でどうでしょうか?

1.手中の鳥
・とりあえず冷蔵庫の中身を見てみる
・何か炒めものを作れそうなので作ってみる

2.許容可能な損失
・いつものことなので家族から褒めてもらえないのはOKとする
・とはいえ、育ち盛りの子供たちが残さないことが及第点

3.クレイジーキルト
・食材の切れ端でピクルスも作れそうだ
・以前、野菜のピクルスが美味しかったとか旦那が言ってたな
・どうせ、場末のスナックで食べたんだろう
・まあ、旦那の酒のつまみに作ってやろう

4.レモネード
・家族は何も言わずに食べたが
・自分としては中華風の炒めものがレパートリーに増えて嬉しい
・クックパッドにUPしてみたらたくさんのイイねをもらえた
・簡単スピードメニューを創作する意欲が湧いた

料理の話、あると思いませんか?
私は世の中のお母さんたちの味方です!!!
(誰へのメッセージ?ww)

エフェクチュエーション、いかがだったでしょうか。
これは新規事業に代表されるイノベーションだけに留まらず
SDGsやサスティナブルにも繋げることのできる思考様式です。
そして就活でも活用できます。

ぜひ、活かしてみてください。

読んでくれてありがとう。

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