ビジネスモデルの罠
こんにちはatteyaaのマツイです。
新しいビジネスモデル
ビジネスモデルの再構築
ビジネスモデルの変革
なんだかイノベーティブで
それっぽいことを書いてみました。
ビジネスモデルってよく使う言葉だけど
そんなに頻繁に使って良いものか?
最近良く考えます。
ビジネスモデルと聞けば、何をイメージするか?
状況や人によってまちまちです。
AmazonやNetflixのように
具体的な企業をイメージする時もあれば
ビジネスモデルとは?
と言葉の定義を考えることもあると思われます。
Wikipediaにはこう書いてありました。
ビジネスモデル(business model)とは、
Wikipedia
利益を生み出す製品やサービスに関する事業戦略と収益構造を示す用語である。
うん、たしかにそんな感じです。
また、ビジネスモデルの研究者で知られる國領氏は以下のように定義していて、
1.誰に、どんな価値を提供するか
2.その価値をどのように提供するか
3.提供するにあたって必要な経営資源をいかなる誘因のもとに集めるか
4.提供した価値に対してどのような収益モデルで対価を得るか
國領二郎(1999,2004)
なるほどちょっと難しくなった。
さすがはアカデミアの方です。
考えさせられます。
価値あるものを創造し、
それをどう届けようかとデリバリーについて考え、
そのために必要な経営資源をどうやって確保し、
最終的にはいかにして稼ぐのか?
ということが書いてあるのだと、一旦は浅めに理解しました。
ここでふと気づくのが、
どんな価値を、どうやって提供するか?
これだけをビジネスモデルとして論じることが多いよな〜というのと
最後に書かれている「収益モデル」、
これだけをビジネスモデルと捉えることもあったりするなということ。
ここにビジネスモデルの罠があるなと思うのです。
言葉のフレームワークの罠です。
モデルと言うからには、モデルの話なのです。
すなわち、モデルに当てはめてしまうということです。
ダイエーとイオンを論じるとき
同じスーパーマーケットのビジネスモデルとして捉えてはいけない。
そんなことは誰でも理解できると思います。
ダイエーは過去失敗したんだし、何か問題があるんでしょ?と
一方、イオンは全国津々浦々の景色を均一化するほどに社会を変容させました。
きっとたくさんの違いがあるはず。
日産自動車とトヨタ自動車を
自動車を製造販売する自動車産業というビジネスモデルだと
そんな風に理解すると今のモビリティの潮流はきっと理解できません。
日産とトヨタの今と未来、
それらはビジネスモデルには表出しないわけです。
ダイエーとイオンの違い、
日産自動車とトヨタ自動車の違い、
何となく分かっていても、
ビジネスモデルという言葉を使うことで
モデル化(単純化)してしまうクセがつく。
ある意味で知性を劣化させる悪癖だと感じています。
ビジネスを概観するときはモデル別でカテゴライズするのはありだと思います。
でも、「自社のビジネスモデルを考える」というセリフは思考の深化を妨げます。
ビジネスの仕組みは、様々な変数が作用し
モデルと呼ぶにはあまりにも複雑でカオスな仕組み、
その会社独自のシステムなのです。
そういう意味で、
「事業システム」という定義で研究されている方もおられます。
というようなことを理解しておかないと
自社の事業システムを明確に定義することができず
すなわち良いビジネスモデルも生まれない。
そう思います。
少しだけ話がそれますが、
それと同じようなことが、個人の仕事でもあるよね?
なんてことも同時に思います。
仕事は何?
こう聞かれて、
デザイナーやエンジニアと答えるのも同じ思考回路です。
これも職種というモデルの話であって仕事ではない。
そう思うわけです。
デザイナーです。
と答えた瞬間に
私は、他の何万、何十万というデザイナーと同じです。
と言ってることにならないか。
違うだろ?と
私なんかは問いたくなるのです。
あなた自身、そしてあなたがやっていること
その価値はもっと他にもあるだろう?って
・何を目指しているのか
・何に価値を置いているのか
・そのために何を意識しているのか
・それはどんな価値があるのか
こんなことを交えて自分の仕事を語れない人の仕事
その価値は段々と下がってきている。
そんな感じがします。
企業でも個人でも、
言葉のフレームワークにはまることで
思考を停止させてしまうことがある。
それってすごく怖いことかもしれない。
気をつけたいですね。
そんなことを書いてみました。
読んでくれてありがとうございます。
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