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仕事の「正しい」やり方の変遷について




みなさん、こんにちは。

はるです。

突然ですが、社会人になり最初に教えてもらったことって何でしたか?

多くの方が挨拶の仕方や、名刺の受け渡し、メールや電話の対応方法、ホウレンソウ等ではないでしょうか。

大切かつ、初めて社会人になった時に右も左もわからない状況でまず知りたいと思うところだと思いますし、一度覚えれば基本的なやり方はずっと変わらず使っていけるものだと思います。

また、最初のころの悩みのタネはホウレンソウですよね。自分は「こんなレベルで報告して良いのだろうか」「こんなこと質問していいのだろうか」等悩んでホウレンソウが遅くなり、先輩に怒られたことがしばしばありました。

慣れてくると、報告するレベル感や質問すべきものの感覚が自分の中にできてきて、それなりにスムーズにそんなやり取りができるようになってくるものだと思います。

このようにして、社会人になってから取り組む一つ一つの仕事に対して「こうやるべきだ」という定石を覚え、それを活用することで少しずつ仕事のレベルを上げてきたと思います。

社会人生活が長くなってきても普通に仕事の中に登場して頭を悩ませてくるホウレンソウの発展系に、社内の承認フローがありますよね。それぞれの立ち位置の仕事を遂行し、上長の承認を得て、一定の権限を持った人の承認まで得た時点でGOサインがかかる仕組みです。各関係者や上長に承認をもらうために必要なことを調査し、資料化し、説明の場の質疑応答と指摘の修正を繰り返しますよね。そしてOKをもらうまでは非常に大変な仕事だと思います。

対お客さんとの仕事でも同じような流れで行うことが多いのではないでしょうか。要望のヒアリングや契約内容に従ってサービスや商品を準備し、タイミング毎にお客さんへ説明を行いOKをもらう形です。例えば、IT業界で規模の大きなシステム開発を開発している時には、お客さんに納品するまでにも部分部分で確認と承認フローがたくさん存在します。

そして現在に至るまで、自分たちのサービスや商品をできるだけ安く、早く、正確に、安全に提供するために、上記のような一連の流れを見直し、IT化できるところはIT化して効率化したり、フローの手順を標準化してスピードアップを図ったり、ミスを削減したりしてきたのだと思います。

そのようなサイクルを繰り返して社員や企業、もっというと日本全体の経済は成長してきました。その中で働いている社員は仕事の正しさ(間違えのなさ)と効率の良さ(早さ)に価値を置いてきたと思います。間違えると承認フローでNGとなり再調査や修正で時間がかかり、納期遅延や利益や信用が減る原因となるためです。



ところが最近、これまでずっと続けてきた、当たり前であった正解の仕事の進め方、正確な仕事、効率的な仕事などが必ずしも「良いもの」ではなくなってきたように思います。安くて便利なものや品質の高いもの以外に価値を感じる価値観が生まれてきたからです。

例えば、どこからもアクセスがよくて便利で最新設備の都会の施設より、不便でも時間をゆっくりと感じられる田舎の昔ながらの施設の方が良いと感じる利用者の登場です。

他にも地球環境に配慮した再生可能エネルギーの利用や、再利用するための研究開発などに多くの企業が取り組んでいることもその例だと思います。本来コストが高く採算が合わないことが多いと言われていますが、その取り組みに投資家や消費者、企業自体が価値を感じているために浸透していっているのだと思います。

それに合わせて、普段の仕事の捉え方にも変化が生まれたように感じています。

承認フローで迅速にOKをもらえばそれで良いのだろうか、お客さんが望んだ要望を漏れなく汲み取り、その通りにサービスが提供できたらそれで良いのだろうか、というような問いです。当たり前ですが、上記は間違っていません。ただ、今まで「正しい」とされてきたやり方で価値が最大化されるのかどうかを考えるとわかりません。

もちろん仕事の正確さや早さはスキルとして有用で意味がなくなるものではありませんが、ビジネスそのものが効率化や標準化、最適化だけではなく、味わいや趣、エシカルであることなどを価値として求めるようになったことで仕事をやる上で重要なことが多様化したのだと思います。

以前から「言われるがままにするのではなく、考えて提案しなさい」というようなことは言われていたと思いますが、それとは少し意味が異なります。それは、その提案が会社にとって、お客さんにとって共通の「正しい(今より良い)」という前提のもとだったからです。

それが今のVUCA時代では、誰にとっての正しさかわからなくなってしまったように思います。会社にとっての正しさとは、会社の中の誰にとっての価値なのだろう(社長?上司?自分?後輩?)とか、お客さんにとって価値があるといっても、お客さんの会社本体なのか、担当者なのか、お客さんの会社のお客さんにとってなのかわかりません。

今まで「これが良い」「あれは悪い」という価値観が多くの人たちにとって共通の認識だったのに対し、現在では価値観が多様化し、価値観は誰からみるかによって大きく変わるものとなりました。

そうすると、変化に敏感な人や若い世代の方は今までと同じでない仕事の在り方に価値を置くことで、今まで正しい・当たり前とされていた仕事の価値観を持っている人とぶつかり、ハレーションが起きてしまいます。人によってはモチベーションが保てす本来の力を発揮しなくなってしまうかもしれません。これでは会社自体の社会貢献力も下がってしまいます。




そうはならないように、これからの仕事のやり方で大切なのではないかと思うのが

「対話と協調」

です。

「対話」とは向かい合って話すこと(会話とは違い、意見を共有し関係性を築くことを目的としているニュアンスを含むように捉えています。)

「協調」とは考えが異なる者同しがお互いを理解し、ゆずりあって調和していくことです。

今の時代、組織の中の価値観は多様化していることが健全だと思います。(そんな中で全員が向いている方向を同じくするために、一本筋を通すのが企業理念です。企業理念についての記事もたくさんあるので是非ご覧ください)

ここまででたくさん書いてきたように、「正しい」仕事のやり方・価値観はわからなくなってしまいました。誰から見るかによって、善にも悪にも捉えることができるからです。ただし、それぞれの考えを「対話」し、もし双方の意見が違っていたとしても「協調」していくことでお互いのメリット・デメリットを理解した上で今目の前のことを進めるにはどんな方法がいいか考えることができます。

これが浸透すれば、企業は様々な価値観を包含することができ、今後のビジネスに必要な柔軟さを獲得できると思います。

対お客さんとの関係でも、同様に「対話と協調」が大切になってきていると思います。

以前はお客さんの要望を聞き、それを叶える、というような色が強かったと感じています。

しかし現在ではお客さんの要望が本当の意味でのお客さんの要望なのか、またその要望がお客さんにとって果たして価値があるのかわからなくなってきています。

お客さんとも、自社の考えや状況を共有した上でどんな方法で進めていくのかを対話し、協調していく方がお互いにとっての価値最大化に有効な場面も多くなっているのではないでしょうか。


「対話と協調」

ぜひ意識して、たまには取り入れてみてはいかがでしょうか。




ご一読ありがとうございます。

それでは。


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