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あの金で何が出来たか…

■ 良書「会社四季報」の嗜み方

日本取引所グループによると、国内で上場している企業数は2019年末で3,706社。これら上場企業の情報をまとめて把握出来る良書が「会社四季報」です。

「会社四季報」は、会社説明から始まり、会社の業績、株主構成、財務状況などに加え、記者が会社を尋ねて仕入れた情報を端的にまとめた「解説記事」を読むことを強くお勧めします。
 なぜなら、「解説記事」を読むことで、どの分野に今後活路を見出しているか、どのような課題に直面しているかなど、経営者や企業の頭の中を垣間見ることができ、投資や会社選びの道標になることが多々あるからです。
 ですので、投資をしない方にも是非読んで頂きたい良書が、「会社四季報」です。

■ 従業員の平均年収や平均年齢も分かる…

「給与が高い企業TOP100」
「給与が低い企業ワースト100」
このようなニュースのタイトルを目にすることがあると思います。
自分が面接を受けようとした会社が「給与が低い企業ワースト100」に入っていてショックを受けたという意見を聞いたことが多々あります。また、記事の中に平均給与に加えて、従業員の平均年齢も出ており、「従業員の年齢の高さに驚いた」という意見も聞くことがあります。

「会社四季報」にも、平均給与と平均年齢が出ており、就職活動においても参考にしたいデータでは無いでしょうか?また、自分が受けようと思っている会社と競合を比較してみると、知名度や派手さはないものの、競合他社の方が売上や利益率が高く、従業員の平均年齢が低いにもかかわらず、給与が高いなど、「見た目」では分からない情報を手に入れることもできます。

■ ところで一人前になるまでに幾ら必要なの?

文頭から「会社四季報」の魅力を語り、「会社四季報」の広告塔と化しておりましたが、本題に入りたいと思います。「会社四季報」に出ている平均給与や年齢は、当然のことながら新卒1年目から退職間際の大先輩までの給与や年齢の平均値です。
 また、新卒採用は、中途採用と異なり、原則ポテンシャルを重視した採用になるので、採用後一定期間が経過するまでは、戦力とみなさず、どちらかというと将来に向けての「投資」としているケースが多いと思います。
 では、戦力としてみなされるまで、どれくらいの期間とコストがかかるのかを考えてみたいと思います。

■ 1年目のお仕事と給与内容

入社1年目の5月末位までは「研修」が中心になると思います。
その後、配属先で先輩職員の下で、1日、1週間、1ヶ月単位で仕事の流れを覚えることがメイン業務ではないでしょうか?
 例えば、お客様のところに一緒に行くことで、商談のやり方を学んだり、課題の聞き出し方を学んだりする機会が多いと思います。また、電話の受け方、メールの返し方、会議での議事録の取り方などを学びつつ、先輩職員のサポートをすることが多い時期だと思います。

「会社四季報」のとある上場企業の新卒1年目の給与を例に取ると、
・月額給与 21.1万円(年間:253.2万円)
・賞与合計 59.1万円(1.4ヶ月分×2回)
・年収   312.3万円
当人にかかる教育費が年間で312.3万円になります。

これにくわえて、先輩社員(30歳想定)の時間を毎日1時間頂くと
・30歳職員の年収   501.8万円
・1年間の勤務日数  245日
・1年間の勤務時間  1,960時間
・1時間あたりの費用 2,560円
先輩社員の時間を毎日1時間使うと年間で62.7万円

以上に加えて、新卒研修費でひとりあたり50万円位かかると試算すると、新卒1年目にかかる教育費は425万円…となります。

■ 2年目もまだまだ戦力外…


2年目の主な仕事は、1年目で1日、1週間、1ヶ月単位で掴んだ仕事の流れを1年という期間で流れを掴むことだと思います。
 具体的には、お客様からの需要が年間を通してどの時期に入るかなどを計算しながら、提案したりすることがメインの業務になると思います。

 ちなみに給与。先ほどの会社さんの場合、年間で23.7万円の給与アップになるので、入社2年目の年収は、336万円。30歳先輩の給与がそのままだと仮定し、会社が従業員に対して行う教育費が年間7万円と仮定すると2年目の教育コストは405.7万円(累計:830.7万円)

■ 3年目で独り立ち。

3年目でようやく投資期間から回収期間に変わるタイミングだと思います。
と言っても、いきなり一人で仕事をできることは無いので、半年くらいは先輩のサポートを受けながらの仕事になるので、教育コストは214.9万円(累計:1,045.6万円)となります。

■ 入社してから1045.6万円も投資。そして、同期の1/3がいなくなる…

いかがでしょうか?
入社後、独り立ちするまでに、会社から1,000万円以上を投資してもらっているのです。そして、独り立ち出来た喜びを感じながら、周りを見回すと、入社式を共にした1/3が会社を去っているのが現状です…

同期が会社を去る理由は幾つもあると思います。
思っていた仕事ではなかった。自分には向いていなかった。元々別の会社に入りたかった等々…

著者の経験上、新卒で3年以内に辞めた人の社内評価は残念ながら極端に低いです。まぁ、会社辞めているので接点は無いと思いがちですが、広いように見えて、狭いビジネス社会において、どこかでからなず出会すことがあります。それは、直接でなく、お客様から噂を聞いたり、お客様から評価を尋ねられたりと…

約1,000万円投資したのに、回収できずにいなくなったので、評価が低くなる理由も分かります。また、戦力として期待していたものの、3年以内で辞めた場合、別場所から戦力を補給しなくてはならず、転職市場から採用をかけると給与の半年分を転職会社に支払わないといけないのも痛いところです…

■ 結論 – 会社選びは真剣に。逢えるなら会社の人に逢いまくれ!

同じ会社に5年いろとは言わないものの、3年はいましょうよ。
そのためには、名前やブランド力で会社を選ばず、会社の中身をみた上で会社を選ぶことをお勧めします。
 だから、勤めている人に逢いまくって、少しでも違和感を覚えたら無理せずに別の会社に行くことをお勧めします。

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